「現在の日本は、かつてなく仲間づくり(チームアプローチ)が重要になっている。その理由のひとつには、グローバル資本主義の進展がある。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、京都大学客員准教授で、エンジェル投資家の瀧本哲史さんが書いた、こちらの書籍です。
瀧本哲史『君に友だちはいらない』(講談社)
この本では、グローバル資本主義を、「世界全体がひとつの市場になって、消費者と投資家のおカネを引きつけるために、世界中のあらゆる企業が国境を越えて競争している状態」と定義しています。
そして、グローバル資本主義が、日本のお家芸だった「よりよい商品をより安く大量生産する」というビジネスモデルを急速に葬り去りつつある、と指摘しています。
それは、中国、台湾、韓国、インドなど新興国の生産管理技術が格段に向上して、ハイテク家電もパソコンも「コモディティ」になったからだ、と著者は言います。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.秘密結社をつくれ
2.本当の「よいチーム」とはなにか
3.ビジョンをぶちあげろ、ストーリーを語れ
4.よき仲間との出会いのために
5.チームアプローチは、あなたと世界をどう変えるか
本書の冒頭で著者は、ビジネスモデルを論じる時によく使われる「パラダイム転換」について述べています。
著者の結論は、パラダイム・シフトというのは、「世代交代が引き起こす」ということです。
そうした中で本書では、多様な価値観を持つ仲間やチームが、これまでの常識を打ち破る「パラダイム・シフト」を起こす原動力になる、と提唱しています。
さらに著者の瀧本さんは、エンジェル投資家として、「人への投資」という考え方で、多様な価値観を持ったチームに注目をして投資をする、と言います。
「よいチーム」はたいてい、以下の5つの共通点を持っています。
1.少人数である
2.メンバーが互いに補完的なスキルを有する
3.共通の目的と達成に責任を持つ
4.問題解決のアプローチの方法を共有している
5.メンバーの相互責任がある
さらに著者が求めるのは、①メンバーが多様で、②必要に応じて入れ替え、③外部にも協力者がいる、非定型的で流動的なチームです。
また本書の後半では、自分自身のことを「自分軸」で考えることを提唱していて、自分のラベリングにおいて「ストーリー性」を持つことの大切さを述べています。
共感を呼ぶストーリーとして、以下のような王道パターンが決まっている、ということです。
◆ 間違っていることをしている過去
◆ イベントが起こる
◆ 心境の変化
◆ 行動
◆ 結果
つまり、仲間を引き入れるためには、自分のビジョンと歩んできたストーリーを語って、「自己開示」をする必要があります。
そして本書の最後で著者は、以下のようなメッセージを結論として、語っています。
「他人の作った、作り物の物語を消費するのではなく、自分自身の人生という物語の脚本を書き、演じろ。」
あなたも本書を読んで、「武器としてのチームづくり」を実践して、コモディティを脱する「自分自身の人生」を歩んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を