高校生が創業したネットベンチャー企業が、急成長したものの倒産寸前まで追い込まれ、そこから強い絆で結ばれた100名の仲間で業界トップクラスの企業を作り上げた物語を描いた「感動の書」があります。
本日紹介するのは、SEO事業のほかメディア事業など多角経営を進め、「働きがいのある会社」ランキングにも入っている株式会社ウィルゲート代表取締役の小島梨揮さんが書いた、こちらの書です。
小島梨揮『ウィルゲート 逆境から生まれたチーム』(ダイヤモンド社)
この本は、岡山県出身の小さい頃からの友人ふたり、小島梨揮さんと吉岡諒さんが堅い絆でタッグを組んで学生時代に起業し、倒産の危機を乗り越えてWEB業界に旋風を起こす会社に育て上げた波乱万丈の奇跡を描いています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.崩壊する家族(2007年10月~2008年10月)
2.18歳の起業家(2003年4月~2005年3月)
3.ゼロからの創業(2005年4月~2006年6月)
4.資金調達、急拡大を目指して(2006年7月~2008年3月)
5.ウィルゲート・ショック(2008年4月~2008年9月)
6.崩壊から再生へ(2008年10月~2010年4月)
7.逆境から生まれたチーム(2010年4月~2011年12月)
ウィルゲート創業の軌跡を本書で見ていると、私の印象に残った「大きな転機」は以下の2つではないかと感じました。
◆ 2005年8月、小島が実務を離れて「読書漬け」になった日々
◆ 2008年9月、小島が吉岡との別れを提案したが吉岡が断り、連帯保証まで申し出て、大きな営業実績を上げた時
前者では、小島が読んだ書籍の要点をアウトプットして吉岡に伝えたことが、経営を身につける上で大きな効果があったのではないかと感じます。
私は「多読」によるインプットと「ブログ」によるアウトプットを提唱し、ずっと実践してきていますが、数多くのすぐれた経営書を読み、その内容を創業パートナーにアウトプウトしてきたことが、経営者として大きな成長の転機になったのだと思います。
後者については、言うまでもないですが、ほんとうにふたりの経営者の「揺らぐことのない信頼関係」が改めてしっかりと確認できた瞬間だと思います。
日本経済は「失われた20年」と言われるほど、景気低迷は長期化し、少子高齢化の進展や新興国の追い上げなどにより、日本の大企業には閉塞感が漂っています。
そうした中で、本書で語られている若い経営者ふたりの「創業と成長の物語」は、シリコンバレーから次々に世界を変えるベンチャー企業が育っていくアメリカに対抗できる「日本の期待の星」を発見したようで、心が洗われます。
創業者の小島梨揮さんと吉岡諒さんの奮闘する様子を読んでいると、戦後復興に向けて高度経済成長を牽引してきたホンダの本田宗一郎と藤沢武夫のコンビが頭に浮かんできました。
とにかく技術の虫で、無類の研究好きだった本田技研工業の創業者・本田宗一郎と管理部門を統括した藤沢武夫の名コンビが、「世界のホンダ」を創り上げました。
また、「自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」を設立趣意書に掲げた東京通信工業(現・ソニー)の井深大と盛田昭夫の堅いパートナーシップが、小島梨揮と吉岡諒の寝食を共にする学生時代からの経営と重なってきました。
やはり、創業経営者ふたりの「強い絆」と「信頼関係」、さらにそれぞれの見事な役割分担があったからこそ、「世界のSONY」が築き上げられたのだと思います。
本書で記されたウィルゲートの創業経営者コンビの「厚い信頼関係」を見ていると、将来のホンダやソニーになる可能性に期待したくなってきます。
「WEBを通じて、世の中に変革と幸せを創り出し、次世代の日本を支える」という素晴らしい経営理念をぜひ実現して欲しい、と感じました。
最後に、若き経営者が本書で、「自分自身の原点」と述べている、次の言葉をあなたに贈りたいと思います。
「本気の気持ちと本気の行動の先には、感動と可能性ある未来が待っている。」
あなたもぜひ本書を読んで、起業家としての「経営の真髄」と、真のパートナーシップとは何か、を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を