「高齢者向けの情報が広く求められているのも、どうすれば残された人生を幸せに生きることができるのか、迷っている方が多いからなのかもしれません。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、前野隆司さんと菅原育子さんが書いた、こちらの書籍です。
前野隆司・菅原育子『「老年幸福学」研究が教える 60歳から幸せが続く人の共通点』（青春新書）
この本は、「どうすれば60歳からも幸せな生活を続けることができるのか」をテーマに、人間関係、お金、仕事、生きがい、健康などの切り口から、「老年学」と「幸福学」におけるさまざまなデータをもとに、そのヒントを解説している書です。
本書は以下の６構部成から成っています。
１．年齢を重ねるほど、人は幸せになっていく
２．「つながり」が多いほど幸せ
３．お金の「多さ」より「使い方」が幸せの分かれ道
４．「人のため」が「自分のため」になる生き方
５．「幸せ」を感じていると「体」も変わる
６．60歳からの人生を「幸せの上り坂」に変える方法
本書の前半では、「年齢を重ねるほど、人は幸せになっていく」および「つながりが多いほど幸せ」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 人生の幸福度は60歳から高まっていく
◆ 幸せを感じている人の寿命は7.5～10年長い
◆ 楽観的で寛容な性格になる「老年的超越」だと幸福感が増して長寿になる
◆「老年学」の研究で明らかになった「年をとるほど個人差が大きくなる」
◆「老年幸福学」で、考え方次第で幸せに年を重ねることができる
◆「幸せの４つの因子」：①やってみよう（自己実現と成長）因子、②ありがとう（つながりと感謝）因子、③なんとかなる（前向きと楽観）因子、④ありのままに（独立と自分らしさ）因子
◆「地位財」（資産・収入・モノ・地位）より「非地位財」（愛情・友情・自由度・つながり）の方が幸福度が長続きする
◆「競争型幸せ」から「協調型幸せ」へ
◆ 定年後の男性は「幸福度」が低くなる「おじさん問題」
◆ シニアの幸せのキーワードは「つながり」と「サードプレイス」
◆「孤独」（Solitude）と孤独感（Loneliness）は別物
◆ 夫婦の家事分担は「五分五分」が一番幸せ
この本の中盤では、「お金の多さより使い方が幸せの分かれ道」および「人のためが自分のためになる生き方」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 年収1000万円で幸福度は頭打ちになる「フォーカシング･イリュージョン」
◆ 定年後も働き続けることで得られる「健康」「適度な緊張感」「若々しさ」
◆ 人のためにお金を使うと、自分も幸せになる
◆ 何か役に立つ仕事や勉強、自分を成長させる活動が幸せにつながる
◆ 定年を前にした社員に対するセカンドライフのメンター制度
◆ セカンドライフ・メンターを育成するための教育システム
◆ 自分の得意な仕事で独立して稼ぐのが「理想的な退職後」
◆ 副業によって知見や人脈が広がることを楽しむ会社員は幸福度が高い
本書の後半では、「幸せを感じていると体も変わる」および「60歳からの人生を幸せの上り坂に変える方法」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 幸福度が高いと、病気にかかりにくくなる
◆ 最期まで好きなものを食べ続けられるかどうかは、幸せに大きく関係する
◆「アドバンス･ケア･プランニング」（人生会議）で、どう死にたいかの意思表示を
◆ 幸福度がアップする姿勢「胸を張って上を向いて歩く」
◆ 口角を上げて、意識的に笑顔を作ることが大切
◆「30分以上の無理ない運動」をほぼ毎日続けている人は幸福度が高い
◆ 60代になってから、やりたくてもできなかった趣味（楽器演奏など）に取り組む
◆ シニアこそオンラインを積極的に活用しよう
◆ 自分史づくりは「セルフ回想法」は脳の活性化になり、人生の総括になる
◆「ありがとう」にひと言、添えて、「感謝10倍」
◆ 感謝を伝えることで、幸せが循環する
◆ 悩みから離れる「マインドフルネス」（瞑想）のすすめ
この本で紹介している「老年幸福学」のコンセプトは、私が拙著『定年後不安』（角川新書）および『定年ひとり起業』シリーズ３部作（自由国民社）にて提唱している「トリプルキャリアで生涯現役」とほとんど同じで、共感する部分が多くあり、深く感銘を受けました。
あなたも本書を読んで、「老年幸福学」研究が教える60歳から幸せになる知見やヒントを学び、自ら実践してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
https://www.youtube.com/@user-kd3em9nm4q/featured
では、今日もハッピーな１日を！【3216日目】
