「人生に最期には、数多くの『落とし穴』が潜んでいます。世の中に刊行されている『終活本』で知識や手続きだけを知っても、実際に直面する現実に、そのまま役立つわけではありません。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、医師、愛知国際病院ホスピス、国立長寿研究センター、介護老人保健施設を歴任する西川満則さんと、司法書士法人福村事務所 代表司法書士の福村雄一さんほかが書いた、こちらの書籍です。
西川満則・福村雄一ほか『終活の落とし穴』(日経プレミアシリーズ)
この本は、これから終活をする方、そして親が終活をする方をメインターゲットに、医療、相続、お金、介護、ACPといった幅広いテーマの落とし穴について解説している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.法律視点による「認知症の落とし穴」
2.司法書士が警鐘を鳴らす「相続の罠」
3.医師が思う「後悔のない最期」
4.医師と考える「延命治療の論点」
5.主任介護支援専門員が教える「介護への向き合い方」
6.医療ソーシャルワーカーが考える「ACPの重要性」
この本の冒頭で著者は、「理想的な最期」とは何か、抗がん剤治療や延命治療はどこまですべきか、医師の提案は拒否してもいいのか、親が認知症になったら何に気をつけるべきか、介護を嫌がる親にどう向き合うか、遺言の作成よりもすべきことは何か等、注意すべき論点を各分野の専門家が解説します、と述べています。
本書の前半では、「法律視点による認知症の落とし穴」および「司法書士が警鐘を鳴らす相続の罠」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 認知症になると預貯金や不動産は凍結され、家族でも現金化できなくなる
◆ 成年後見制度は選任に3カ月以上かかり、年20~30万円の費用がかかり続ける
◆ 病院への入院や施設への入所には、身元引受人・連帯保証人が求められる
◆ 医療同意は日本では本人以外できない(成年後見人でも不可)
◆ 親が認知症になった場合、子どもだけで対応するのは難しく、ケアマネジャー、介護士、看護師など医療・福祉の専門家や制度を利用する
◆ 任意後見制度は、「お守りの仕組み」
◆ まずは、地域包括支援センターに連絡・相談する
◆ 公正証書遺言が望ましいが、20~30万円の費用と資料提出がネック
◆ 遺言書を作成したことを誰に伝えておくかがポイント
◆ エンディングノート、資産目録を作る
◆ デジタル遺産は、IDやパスワードがわかるようにしておくこと
◆ おひとりさまは、死後事務委任契約を司法書士との間で締結しておく
◆ 自宅不動産や金銭が家族信託の対象財産
この本の中盤では、「医師が思う後悔のない最期」および「医師と考える延命治療の論点」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 価値観や人生の目標に照らして、ACP(Advance Care Planning)を作成する
◆ 家族は本人の代わりに、医療判断を決められない
◆ 延命治療として、抗がん剤や人工呼吸器を使用すべきか
◆ モルヒネを少量から適切な段階を踏んで使用する
本書の後半では、「主任介護支援専門員が教える介護への向き合い方」および「医療ソーシャルワーカーが考えるACPの重要性」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 介護保険の利用は、ケアマネジャーと相談して
◆ 8050問題から9060問題へ
◆ 自分の意思を伝えておくことが最も大切(事前指示書など)
◆ 医療ソーハルワーカー(MSW)とは、病院など医療機関で患者や家族の問題を解決する専門職
この本の締めくくりとして著者は、「一番大事なのは患者さんが自分の意思をあらかじめ、家族や知人、医療関係者に、事前につぃた得ておくことだ」と述べています。
あなたも本書を読んで、「人生の最期」に待ち受ける罠、「終活の落とし穴」を知り、しっかりと対策を立てておきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3626日目】