書評ブログ

『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動 』

「お金のアレコレには興味があるけど、難しい理屈や専門用語はハードルが高い」「ちょっと気になっていたことの考え方を知りたい」という向きの1冊として、誰もが持っている「お金に対する思い込み」の本質を明らかにし、みなさんが毎日の行動を見直すヒントになる本があります。

 

 

本日紹介するのは、1969年生まれ、立命館大学法学部卒業後、日本総合研究所に入社、在職中にFP資格を取得、1998年独立系FPとして転身、現在は各種セミナーや講演、執筆、個人相談を中心に幅広く活躍するCFP1級ファイナンシャルプランニング技能士、がんとくらしを考える会理事、城西国際大学・経済情報学部非常勤講師を務める黒田尚子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか 「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)

 

 

この本は、貯蓄とは因果関係がありそうでなさそうな「日々の行動」と「貯蓄の効率性」との相関性をお金の専門家であるFPの視点から読み解いた書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.部屋を片付ければお金が貯まる【日常生活編】

2.お酒はコンビニで買えばお金が貯まる【お金の使い方編】

3.貯金をやめればお金が貯まる【お金の増やし方編】

4.健康を大事にするとお金が貯まる【備える編】

5.家との向き合い方を買えれば金が貯まる【ライフイベント編】

6.SNSを控えれば金が貯まる【人間関係編】

 

 

この本の冒頭で著者は、「本書には、FPとしての知識だけでなく、四半世紀に渡って相談を受けてきた知恵とノウハウをこれでもか詰め込んであります。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「部屋を片付ければお金が貯まる」およびお酒はコンビニで買えばお金が貯まる」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ お金を貯めている人は部屋が片付いている

◆ モノを適正な量まで減らして、一定の収納の枠に入れる

◆ 片付けるとモノが「見える化」される

◆ 整理整頓と貯蓄は同じ原理でできている

 

◆ 冷蔵庫の片付けで、食費と健康をコントロールする

◆「保冷剤」と「ビニール傘」はプチ消費の証拠、生活習慣を見直す

◆ 捨てるのが上手な人ほど、貯めるのも上手い

◆ 財布に入れるものは必要最小限、クレカは2枚に絞る

 

◆ 買い物の回数は極力減らす

◆「時間家計簿」をつけ、ムダな時間の使い方を見直す

◆「年間予算」を立て、その範囲内で十分に楽しむ

◆ 貯金分を先取りし、目標残高を設定することでお金は貯まりやすい

 

 

この本の中盤では、「貯金をやめればお金が貯まる」および健康を大事にするとお金が貯まる」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 家計を改善する方法は、①収入を増やす、②支出を減らす、③運用する、の3つ

◆ 投資しない人の「3つの損」とは、①預貯金の低収益、②インフレリスク、③収益を得られるチャンスを逃す

◆ 投資にネガティブな原因は、①投資知識・理解不足、②投資の成功体験のなさ

◆ 悩むならまず少額の積立投資をして続けること

 

◆ 配偶者控除や社会保険料を気にせず、できるだけ長時間働く

◆ 老後資金不足の対策は、①できるだけ長く安定して働く、②支出を柔軟に見直す、③自宅不動産など保有資産を有効活用する

◆ 年金は老後年金のベース、計画に合わせて受給時期を決める

◆ FIREには「年間生活費の25倍の資産」+「4%ルール」

 

◆ 働くことの意味を4つのワーク(①ライスワーク、②ライクワーク、③ライフワーク、④ライトワーク)から考える

◆ 退職金や資産での投資に注意する理由は、①リスク許容度が正しく把握されていない、②売り手と買い手に大きな情報格差がある

◆ まとまった資金の運用では、①手持ち資金のうちどのくらい投資に回せるかを考える、②一度に投資に回さない、③勧められるままに金融商品を購入しない

◆ お金が貯まる人は資産を分散させるアセットアロケーションを

 

◆ ライフスタイルに合った副業で生活が充実、本業にもプラス

◆ 自己投資でスキルアップやキャリアチェンジで年収アップを

◆ 健康には、5000万円の価値がある

◆ 認知症は誰でもなる病気で高齢者の6人に1人(600万人)がさらに増える予測

 

◆ 認知症は、要介護原因の第1位(約20%)

◆ 認知症予防で具体的に推奨されているのは「週3回以上、1回30分以上の有酸素運動」

◆「貯金は三角、保険は四角」、両者の組み合わせでリスク管理を

◆ すべての制度やサービスはセルフサービス、自分で申請することが原則

 

 

本書の後半では、「家との向き合い方を買えれば金が貯まる」およびSNSを控えれば金が貯まる」について、著者の見解を説明しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 結婚は自らの年収+47万円の幸せ(by ニック・ボーダヴィー)

◆ シングルの方が経済的に深刻になってくるのはリタイアして以降

◆「家を買う時期」を間違えない人はお金を貯められる

◆ 人生における貯め時は3回のみ(①結婚して子供が生まれる前、②子どもの就学前、③子どもが大学卒業後リタイアまで)

 

◆ 教育費を「家計の聖域」にすることは、老後資金を減らすことと同じ

◆ 高収入家庭に見られがちなのは、教育と住宅、双方にお金をかけすぎてしまうこと

◆ お金をたくさんかけることがよい教育につながるとは限らない

◆ 子どもが独立する前に、お金との付き合い方を学ばせるのも親の役目

 

◆ 介護問題をクリアする3つの武器「時間」「お金」「情報」

◆ 今の親の姿は将来の自分

◆「親の介護は9割逃げよ」

◆ 人間の幸福度を下げる要因は「慣れ」と「比較」

 

◆ SNSの「いいね!」欲しさに無駄遣いを繰り返す人が多い

◆ 食事はできる限り手料理をメインとして、節約と健康維持に努める

◆ 誰かのためにお金を使うと幸福度が上がり、健康になる

◆ 人生100年時代を生き抜く「3つの力」は、①稼ぐ力、②知って得する力、③増やす力

 

 

本署で紹介している「お金に対する考え方」は、新刊拙著『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)にて私が提唱しているコンセプトと共通する部分が多く、心から共感できます。ぜひ、併せてお読みください。

 

 

 

この本の締めくくりとして著者は、ローマの政治家・哲学者・詩人セネカによる以下の名言を紹介しています。

 

「難しいからやろうとしないのではない。やろうとしないから難しいのだ。」

 

 

さらに、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セーラー教授が提唱する「ナッジ」(nudge)という「人をそっと後押しする行動経済学のアプローチ」を紹介し、本書が「ナッジ」のような一冊になれば、と述べています。

 

 

あなたもこの本を読んで、「お金が自然に貯まる人がやっている50の行動」原理の基本を学び、実践してみませんか。

 

 

2022年7月2日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第239回】お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのかにて紹介しています。

 

 

 

ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【2797日目】