『〈超・図解〉 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』
「身のまわりの『なぜ?』は、心理学でこんなに面白くなる。」― 私たちは毎日の生活の中で、自分でも理由がよく分からない行動を取ったり、他人の行動を不思議に感じたりすることがあります。「ケンカするほど仲がいい」は本当なのか、なぜ渋滞では隣のレーンばかり速く進むように感じるのか、株価は晴れた日に上がりやすいのか、会議のリーダーは座る場所で決まるのか。本書は、そんな身近な「なぜ?」を入り口に、人間の心と行動の仕組みを社会心理学の研究や実験から解き明かした、楽しく読める心理学の入門書です。
本日紹介するのは、慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了、社会心理学の知見をベースに心理学の実践的な応用に力を注ぎ、現在は心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表として活躍する内藤誼人(ないとう・よしひと)さんが書いた、こちらの書籍です。
内藤誼人『〈超・図解〉身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)
著者は、「自分の望む人生を手に入れる」ための実践的な心理学のアドバイスに定評があり、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』『面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本』『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(以上、明日香出版社)など、多数の著書があります。
この本は、家族や恋愛、仕事、お金、買い物、ストレス、メディア、街中での出来事など、私たちが日常生活で経験するさまざまな行動や感情を取り上げ、その裏側にある心理メカニズムを、社会心理学の研究や実験をもとに分かりやすく解説しています。
豊富な図やイラストを眺めながら読み進められるため、難しい心理学の専門用語を暗記するのではなく、「そういうことだったのか!」と楽しみながら、人の心と行動の仕組みを理解できるのが大きな特徴です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.『家族・恋愛』の心理学
2.『やる気・ストレス』の心理学
3.『街中』の心理学
4.『お金・買い物』の心理学
5.『メディア・よのなか』の心理学
6.『仕事・職場』の心理学
本書の前半では、「家族・恋愛」「やる気・ストレス」を中心に、身近な人間関係や自分自身の感情・行動に関する心理学について、以下のポイントを中心に説明しています。
◆ 家族や恋人など身近な関係ほど、心理的な距離の近さから感情が強く表れやすく、人間関係にはさまざまな心理作用が働いている
◆ 恋愛や人間関係では、相手そのものだけでなく、置かれている状況や環境によって好意や評価が左右されることがある
◆ 「やる気」は本人の性格や意志の強さだけで決まるものではなく、環境や周囲からの働きかけによって大きく変化する
◆ ストレスについても、出来事そのものだけではなく、それを本人がどう受け止め、どう意味づけるかによって感じ方が変わってくる
◆ 心理学を知ることによって、自分や相手の行動を性格だけで決めつけず、「なぜ、この行動が起きたのか」と別の角度から考えられるようになる
この本の中盤では、「街中」「お金・買い物」をテーマに、普段は意識していない私たちの判断や選択が、実はさまざまな心理に左右されていることを解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 渋滞で「隣のレーンばかり速く進んでいる」と感じるように、人は自分にとって不利な出来事を強く意識し、記憶する傾向がある
◆ 街中での人の動きや集団行動には、周囲の人に合わせようとする心理や、その場の状況に影響される心理が働いている
◆ 買い物では、商品の価値そのものだけでなく、価格表示、比較対象、売り場の環境などによって「お得」「欲しい」という感覚が変化する
◆ お金に関する意思決定は、必ずしも合理的に行われるわけではなく、そのときの気分や感情、提示された情報によって左右される
◆ 自分は合理的に判断していると思っていても、人間の意思決定には多くの思い込みや心理的な偏りが入り込んでいる
本書の後半では、「メディア・よのなか」「仕事・職場」をテーマに、情報社会やビジネスの現場で知っておきたい心理学について、解説・紹介しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 私たちがニュースやSNSなどから受け取る情報は、内容そのものだけでなく、情報の見せ方や繰り返しによって印象が変化する
◆ 世の中の出来事に対する判断も、周囲の意見や多数派の行動、社会的な雰囲気から無意識のうちに影響を受けている
◆ 会議では発言内容だけでなく、座る位置や周囲との距離など、物理的な環境が人間関係やリーダーシップに影響を与える場合がある
◆ 職場のやる気や生産性は、給与などの経済的条件だけではなく、人から認められることや自分の役割を実感することにも左右される
◆ 心理学を仕事に活用することで、部下とのコミュニケーション、チームづくり、交渉、営業、会議など、さまざまな場面で人間関係をよりよくできる
本書を読んで改めて感じるのは、私たちは自分で考えて合理的に行動しているように見えて、実際には驚くほど多くの心理的な影響を受けながら生活しているということです。
私は、心理学を学ぶ最大のメリットは、人を思い通りに動かすテクニックを身につけることではなく、「人間は自分が思っているほど合理的ではない」と理解することにあると思います。
また、AI時代になった今、心理学を学ぶ意味はさらに大きくなっていると私は感じます。生成AIによって、情報収集や文章作成、分析など、多くの知的作業が効率化されています。
一方で、人間同士の信頼関係を築くこと、相手の感情を理解すること、人を励ますこと、チームを動かすことなど、「人の心」に関わる力は、仕事でも人生でも引き続き重要です。
本書の魅力は、そうした心理学を難しい学問としてではなく、毎日の生活の中にある「なぜ?」から楽しく学べるところです。
心理学を基礎から気軽に学びたい方、人がなぜそのように行動するのかを知りたい方、仕事や人間関係に心理学を活かしたい方、そして短時間で楽しみながら教養を身につけたい方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、読書術、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、AI活用、心理学など、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。
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では、今日もハッピーな1日を!【4188日目】








