書評ブログ

奥野宣之『読書は1冊のノートにまとめなさい』(ダイヤモンド社)

奥野宣之氏は、同志社大学文学部を卒業後、出版社や新聞社の記者を経てフリーに。『情報は1冊のノートにまとめなさい』 (ダイヤモンド社)で著者デビューした。

 

WEBや雑誌のライターとして活躍するかたわら、ノート本作家としてメディア出演、講演などで活躍している。本書は、奥野氏のノート本第2弾と言えるもので、情報の中でもとくに読書情報に絞って述べたものだ。

 

本書で薦めているのが、インストール・リーディングという読書法だ。すなわち、アウトプットすることを前提にした読書の仕方で、それは書籍選びからスタートする。

 

著者が本を選ぶ方法が、読むべき書籍リストの中から「指名買い」するという方法だ。書店に行って、その場で衝動買いすることはないという。目的を持って本を読み、情報を吸収してアウトプットするのだ。

 

著者は、本は読み放しにしないで、必ず「読書ノート」を書いた方がよいと説いている。読書ノートはなかなか書けないものだが、継続して書き続けることが最も大切だ。

 

なかなか筆が進まない人は、書名、著者名、出版社の3つだけでもよいから、読んだ日付を入れてノートに書き続けるべきだという。記録があれば、いつか思い出すキッカケもあるからだ。

 

著者が書く読書ノートは、重要箇所の引用(書き写し)と自分の感想を交互に書いていく方式だ。このスタイルなら無理なく続けることができるし、読み返した時に本の内容を思い出すという。

 

読書家の人々は多いが、ほとんどの方々は読んだ本の内容が記憶に残っていないそうだ。したがって、その後に役立てることができない。

 

本書は、読書によって得たものを、自分の血肉として活用するための有効な方法を紹介する優れた書だ。多くの読書好きの人々に推薦したい。