「若者はやる気がない」― そう決めつけていませんか。しかし本書は、その見方自体が “ズレている” 可能性を指摘し、データに基づいて若者の本音を明らかにします。

本日紹介するのは、金沢大学融合研究域融合科学系教授であり、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授としても活動し、イノベーション論・モチベーション論の研究者として多数の著作を持つ金間大介さんと、博報堂生活総合研究所主席研究員として生活者データ分析を専門とする酒井崇匡さんが書いた、こちらの書籍です。

金間大介・酒井崇匡『仕事に「生きがい」はいりません』(SB新書)

本書は、30年にわたる調査データと分析をもとに、若者の価値観や行動を多角的に解き明かし、世代間ギャップの本質を明らかにした一冊です。

本書は以下の11部構成から成っています。

1.「職場」の溝 ―「仕事に情熱を持つ上司が理想」は1割以下

2.「就活」の溝 ― 企業も無視できない、最強メンターと化した親

3.「成長」の溝 ―「楽するために就職したわけじゃない」かつての若者たち

4.「生きがい」の溝 ― 若者の間で消えゆく仕事のやりがい

5.「努力」の溝 ―「がんばれば報われる」が死語になった世界

6.「コミュニケーション」の溝 ― 飲み会から見る世代ギャップ

7.「消費」の溝 ― プレゼントは異性より同性同士で

8.「承認欲求」の溝 ― 若者の間で高まる「拒否回避欲求」

9.「恋愛」の溝 ― 社内恋愛はもう過去の遺物?

10.「社会貢献」の溝 ― “エコ意識の高い若者”という虚像

11.「信用」の溝 ― 隣人すら信じない現代の若者たち

 

本書の前半では、職場や就活における価値観の違いが明らかにされます。従来の「仕事観」が通用しない理由が見えてきます。主なポイントは以下の通りです。

◆「情熱を持て」という指導が逆効果になる現実

◆ 親の影響力が強まる就職活動

◆ 成長観の変化と価値観の多様化

◆ 仕事に「やりがい」を求めない傾向

◆ 世代間ギャップの構造的要因

 

この本の中盤では、努力・コミュニケーション・消費といった日常的な行動の違いが分析されます。若者の行動には合理的な理由があることが理解できます。主なポイントは次の通り。

◆「努力すれば報われる」への不信感

◆ 飲み会文化への距離感

◆ 同性間の消費やつながりの重視

◆ 承認欲求よりも拒否回避の志向

◆ 人間関係におけるリスク回避意識

 

本書の後半では、恋愛・社会意識・信用といったテーマから、現代の若者像がさらに深く描かれます。これからの社会のあり方を考えるヒントが提示されます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 社内恋愛の減少とその背景

◆ 社会貢献意識の実態と誤解

◆ 他者への信頼低下という現象

◆ 若者の合理的な選択行動

◆ 新しい時代の価値観への適応

 

若者の価値観は「変わった」のではなく、「合理化された」と言えるかもしれません。本書は、その本質を理解し、より良いコミュニケーションと組織づくりのヒントを与えてくれます。

マネジメントに関わる方はもちろん、若い世代と向き合うすべての方におすすめの一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【4078日目】