書評ブログ

『地政学で読む世界覇権2030』

2015年から2030年にかけて、移行期に起こる一時的な出来事が次々に現れ、古い冷戦体制は一掃されると説く本があります。

 

 

本日紹介するのは、地政学の専門家であるピーター・ゼイハンさんが書いた、こちらの書です。

 

 

ピーター・ゼイハン『地政学で読む世界覇権2030』(東洋経済新報社)

 

 

この本は、今世界的なブームになっている地政学に関する最新かつ正確な知見を提供してくれる書です。著者のピーター・ゼイハンさんは、影のCIAとも呼ばれる情報機関ストラフォーに12年間勤務して、バイス・プレジデントまで務めました。

 

 

ストラフォーは、世界的ベストセラー『100年予測』の著者であるジョージ・フリードマンさんが1996年に設立した組織で、その地政学的なアプローチによる世界の長期予測を、米国政府が国家戦力として参考にしているほどです。

 

 

著者のピーター・ゼイハンさんは現在、ゼイハン地政学社(Zaihan on Geopolitics)の社長で、ウォールストリートジャーナル、ブルームバーグ、AP,フォーブズなど、多数のメディアがその分析に注目しています。

 

 

 

本書は以下の15部構成から成っています。

 

 

1.私たちが知っているつもりの世界

 

2.エジプト:ここから向こうまでの行き方

 

3.技術革新:遠洋航海術と工業化

 

4.偶然の超大国の登場

 

5.地政学を独占する

 

 

6.人口の激変

 

7.シェールの台頭

 

8.世界的な混乱期の到来

 

9.パートナーの国々

 

10.プレーヤーの国々

 

 

11.歴史はヨーロッパへ回帰する

 

12.アルバータ問題

 

13.北米麻薬戦争

 

14.中国戦争

 

15.移民とテロリズム

 

 

 

本書によれば、地政学とは、ある土地が・・・そこに存在するあらゆるものにどう影響を及ぼすかを考察する学問です。

 

 

住民の衣服、食べ物、抵当のサイズと有用性、何歳まで生きられるか、子どもの数、仕事の安定性、政治システムの形態とその実態、どんな戦争を仕掛けたり防衛したりするか、そして究極的にはその文化が時の試練に耐え抜けるかどうか、などを考察します。

 

 

つまり、川、山、海、平原、砂漠、ジャングルなどの相互のバランスが、そこに住む人間の生活と、国家としての成功の双方に決定的に影響する、ということです。

 

 

勢力を拡大した過去のほぼすべての主要な集団が温帯で誕生したのはなぜか、そして存続に成功した勢力がどれも川沿いで発展したのはなぜか、そこにはっきりした理由が存在します。

 

 

これら地域の住民は格別優れていたわけではなく、単により多くの持続可能な資源に恵まれ、経済活動が妨げられず、その経済・軍事システムのおかげで、より遠方まで達することができたに過ぎません。

 

 

日本は、世界で最も先進的な産業基盤と最も高い技術を持つ労働力が存在します。たとえ貿易関係の崩壊と財政赤字の増大によって技術の開発や応用が不可能になっても、相対的・絶対的に非常に有利な立場からスタートできることは間違いないでしょう。

 

 

日本には世界で二番目に強力な海軍があり、エネルギー供給と貿易の安全確保のために船団を組まなければならなくなる時代には、これは非常に大きな意味を持つ、と著者は言います。

 

 

日本には陸の国境はなく、最も近いライバルである中国とロシアは、水陸両方で展開できる十分な戦力を持っていません。

 

 

少子高齢化が世界一速いスピードで進み、デフレスパイラルから脱することのできない日本は非常に困難な状況にありますが、それはドイツ、中国、ロシアなど世界がこれから迎える運命ほど過酷なものではない、ということです。

 

 

アメリカの「世界に対する無関心」は、シェール革命のおかげで、経済安全保障を確保するために国際社会に関与し続ける必要がなくなったことから来ています。

 

 

そうした中で、住民の98%以上が日本民族であり、単一の文化アイデンティティを持つ、近代ではきわめて珍しい国家として、日本は厳しい政策を実行したり、プレッシャーに耐えられる文化的体力を備えている、と著者は言います。

 

 

あなたも本書を読んで、地政学の見地から世界の将来や日本の進むべき道について考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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