Googleの人材部門人材育成担当のチャディー・メン・タンが書いた「富と幸福を高める自己探索メソッド」に関する本があります。
本日紹介するのは、『Search inside yourself 』の邦訳版である、こちらの書です。
チャディー・メン・タン『サーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッド』(宝島社)
この本は、世界的に有名なEQの専門家であるダニエル・ゴールマンから許可を得て、マインドフルネスとEQについて書いた書籍です。
EQとは、対人関係や仕事の能力に影響される、「情動的知能指数」または「こころの知能指数」のことです。人の能力は知能指数(IQ)だけでは測れず、EQが大きく関わっているとされています。
またマインドフルネスとは、感情や思考を排除し、「今ここにある現実」をありのままに、平静に見つめる心のあり方のことです。
マインドフルネスは、仏教の「瞑想」が起源となっていて、やさしい手法では、たんに二分間、穏やかで一貫した注意を自分の呼吸に向けるだけです。
二分間座っているだけでいいので、人生でこれ以上単純なことはないだろう、と著者は言います。つまり、二分間だけ、何かを「する」モードから「あるがままでいる」モードへ切り替える、ということです。
「瞑想」は心のエクササイズで、①意図→②注意→③認知的プロセス→④態度のプロセスで進んで行きます。
また、瞑想の途中で、音や身体的な感覚のせいで気が散ることがよくありますが、それには次のステップで対処するとよい、ということです。
1.認める
2.評価や判断も反応もせずに経験する
3.反応する必要があっても、マインドフルネスは保ち続ける
4.放してやる
瞑想には科学との共通点があって、それがマインドフルネスがビジネス界や学会に広がった理由です。それは、「探究心」を重視する点です。
瞑想では、「探究心」に2つの側面があって、第一に、瞑想の多くは自己発見を目的とします。それは注意力を鍛えるところから始めますが、私たちの心という暗い部屋の中に光を当て、すなわち「サーチ・インサイド・ユアセルフ」(=自分の内面を探る)のを可能にすることです。
第二の側面は、内面の範囲を超え、外の世界にまで及びます。瞑想をする人はとても探究に慣れているので、科学も、瞑想自体に対する科学的探究も、まったく気兼ねなく受け入れられました。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.エンジニアでさえEQで成功できる
2.命がかかっているかのように呼吸をする
3.座らないでやるマインドフルネス・エクササイズ
4.100パーセント自然でオーガニックな自身
5.乗馬を馬のように乗りこなす
6.利益をあげ、海を漕ぎ渡り、世界を変える
7.脳は情動のタンゴ
8.有能であってしかも人に愛される
9.世界平和への三つの簡単なステップ
これらの構成で、マインドフルネスとEQの関係を本書では解き明かしていきますが、Googleが人材育成の研修に導入したのは、まさに仕事で成果を上げるために、自己探求が効果的だったためです。
上記の構成について、サブタイトルとして付された解説を以下に紹介しておきます。
1.EQとは何か、EQはどうやって育めばいいか
2.マインドフルネスの瞑想の理論と実践
3.マインドフルネスの恩恵を座った姿勢以外にも広げる
4.自信につながる自己認識
5.自己統制の力を伸ばす
6.自己動機づけの技術
7.相手を理解し、心を通わせることを通して共感を育む
8.リーダーシップと社会的技能
9.「サーチ!」の裏話
本書では、エピローグで「空き時間に世界を救おう」と呼びかけ、「瞑想」を薦めています。また、巻末に記載された「参考図書」と「参考映像」はとても役に立つでしょう。
あなたも、本書でGoogleの人材育成の核になる考え方を学び、ビジネスや人生に活かしませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!