書評ブログ

阿部一・山村啓人『日本人だけが知らない難解英単語』(IBCパブリッシング)

数ある英単語集の中で、本書はわずか250語ながら、英語上級者も唸らせる日本人が弱い重要単語のセレクションだ。新聞・雑誌・書籍・映画・ドキュメンタリー番組・対談・航空・医療・軍事など、幅広いジャンルを網羅する。

 

辞書のように文字がぎっしり詰まっている単語集が多い中、本書の構成は最頻出語は2ページに1単語という贅沢な配置で、文字も大きい。次の頻出語は1ページに1単語で、これでも贅沢だ。

 

最後の散見語でも1ページに2単語と、これでも通常の単語帳に比べ、見やすさは群を抜いている。

 

老眼が始まった中高年には優しく、時間に追われる忙しいビジネス・パーソンにはスキマ時間で目を通して暗記できる工夫が素晴らしい。思い切って、250語に絞り込んだからこそできるビジュアル感が抜群の書籍だ。

 

もう一つの特徴は、見出し語に続く解説の中に、熟語(イディオム)が複数、例示されている点だ。実際にビジネスや新聞・雑誌・書籍などでまさに頻出の表現だ。

 

英語学習に飛躍が欲しい上級の学習者やビジネスパーソンに、じっくり味わうように読んでほしい単語帳だ。先般、3冊を紹介したヴァンス氏の著書とともに、心から推薦したい。