書評ブログ

『60歳からの知っておくべき経済学』

「『人生100年時代』が本格的に訪れる中で、高齢者たちがセカンドライフをより充実させるために、積極的に『学び直し』をする動きが広がっている。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1955年東京都生まれ、東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業、博士(政策研究)で、1980年大蔵省(現・財務省)入省内閣府参事官(首相官邸)などを歴任した後、現在は株式会社政策工房代表取締役会長嘉悦大学教授高橋洋一さんが書いた、こちらの書籍です。

 

高橋洋一『60歳からの知っておくべき経済学』(扶桑社新書)

 

この本は、数式が必要になるため文系出身者には少しハードルが高い経済学について、できるだけ基礎的なデータを使い、シンプルな言葉で説明している書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.学び直しの姿勢

2.経済の一般常識

3.日本の財政の真実

4.知っておきたい税の基本

5.社会保障・年金のイロハ

6.個人資産の形成・防衛術

7.シニア就業者に役立つ新視点

 

この本の冒頭で著者は、「向上心のある高齢者にとって、特に役立つ学問の一つが『経済学』だ。なぜなら、経済学を学ぶことで自分の生活で起こっている事象をより深く理解し、物事を捉える視点が大きく変わるからだ。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「学び直しの姿勢および「経済の一般常識」ついて、以下のポイントを説明しています。

 

◆ データ分析の基本「相関係数」を知る

◆ 経済の基本は「需要」と「供給」

◆「価格」は需要と供給の変化

◆「物価」はモノとカネの総量のバランス

 

◆ インフレ率と失業率を同時に考慮して雇用創出を行う

◆「円高」よりも「円安」の方がいい

◆「金融政策」と「財政政策」の両輪が必要

◆ リフレ派、MMT派、緊縮増税派の3つの経済学派がある

 

 

この本の中盤では、「日本の財政の真実」「知っておきたい税の基本」および「社会保障・年金のイロハ」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 日本の「財政」は危機的ではない、世界の中でも超健全

◆ 国債は未来への投資

◆ 天下り先の民営化で借金は減らせる

◆ 財政破綻を煽る黒幕は財務省

 

◆ 消費増税は景気にマイナス

◆ 所得税の完全捕捉で、相続税・贈与税・法人税はゼロに

◆ 社会保障は「保険」制度で運営されている

◆ 所得代替率が低い国ほど年金制度が安定している

◆ 運営が難しい健康保険は「マイナ保険証」で本人確認が理想

 

 

本書の後半では、「個人資産の形成・防衛術および「シニア就業者に役立つ新視点」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 高齢者の財部を狙う「FX」「暗号資産」業者にご用心

◆「株式投資」は数学と経済の知識が必要

◆ 企業のストック「貸借対照表」とフロー「損益計算書」

◆ 定年後に暇な高齢者は好きな仕事で働けばいい

◆ 病を過度に恐れる必要はない

 

この本の締めくくりとして著者は、「世の中の仕組みは思ったよりシンプルであり、数字で理解することの重要性を伝えてきた」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、60歳からの知っておくべき経済学を学び、俗説や金融詐欺に騙されない正しい知識を身につけていきませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3374日目】