「音声が社会を変える?本当かも知れないと、関心が高まり始めている。音声(voice)とテクノロジー(technology)による大きな変革『ボイステック革命』の予兆が、ようやく日本でも感じられるようになってきたのだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、大阪大学基礎工学部を卒業後、同大学経済学部を卒業、公認会計士の経験を積んだ後、世界一周の旅に出て、アメリカの会計事務所 Ernst & Young に就職、帰国後はベンチャー企業の支援家を経て、2016年に株式会社Voicyを創業、年間3000万時間聞かれる日本最大級の音声プラットフォームにした株式会社Voicy代表取締役CEOの緒方憲太郎さんが書いた、こちらの書籍です。
緒方憲太郎『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』(日本経済新聞出版)
この本は、あらためてこのタイミングで、「なぜ音声なのか」「今、音声の世界で何が起こっているのか」を読者に知ってもらうために記された書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.なぜGAFAはボイステックに注目するのか
2.「本物」しか残らない
3.ボイステックで未来はどう変わるのか
4.革命レベルの変革が起きている~ボイステックスタートアップ座談会~
この本の冒頭で著者は、「多くの人がボイステック革命の予兆は捉えているものの、実際に何が起こっているのか、なぜ今こんな流れが生まれているのか、理解している人はそう多くない」「しかも、この革命の規模や影響範囲を、過小評価している人が多い」と述べています。
そして、「この革命は、情報と人のあり方を思い切り変える。スマートフォン(スマホ)登場以来の大きな変化だ。」と続けています。
さらに、プロローグとして、「ボイステックの未來」について、ストーリー仕立てで、未来の「ある一日」を書いています。
本書の前半では、「なぜGAFAはボイステックに注目するのか」について、以下のポイントを紹介・解説しています。
◆ アメリカで急速に普及するスマートスピーカー
◆ アメリカで急成長するポッドキャスト市場
◆ GAFAが、研究開発やM&A投資など、音声にコミットし続けている
◆ 人と情報の接点「インターフェイス」が「楽に情報を得る」音声に変わりつつある
◆ 革命をもたらしたのは、①音声テクノロジーの進化、②デバイスの普及、③「聴く」習慣の広がり、の3つ
◆ スマートスピーカーの便利さを知ったら、元の生活には戻れない
◆ ボイステックの未來を変えたワイヤレスイヤホン
◆ ポッドキャストに目をつけたスポティファイ
◆ クラブハウス上陸による「気付き」
◆ 音声の最大の特徴は「ながら」ができること
◆ GAFAM、SNS系、動画系が相次ぎボイステック市場に算入
◆ パラダイムシフトを伴う革命の渦中にいると気づかない
この本の中盤では、「本物しか残らない」および「ボイステックで未来はどう変わるのか」について考察しています。主なポイントは次の通り。
◆ 音声による情報発信は、テキストや動画による発信に比べて手軽で誰でも発信できる
◆ 発信者が急増している、音声は発信のハードルを一気に下げる媒体
◆ ワーママ(働く女性)など「忙しい人」たちは音声でつながる
◆ 音声によって「すき間時間」がなくなる
◆「誰が」発信しているのかが重要な時代
◆ 音声は、最も「人」軸のメディア
◆ 音声は発信者の人となりや生き方、思いなど、人としても魅力が伝わりやすいパーソナルなメディア
◆ 音声の世界でも進む「パーソナライズ化」
◆ ボイステック3つの技術:①発信、②受信、③分析・活用
◆ ニーズ高まる「ノイズを消す技術」
◆ 参入しにくい日本語音声認識技術
◆「感情を動かすメディア」としての可能性
◆ 高齢者を救うボイステック
本書の後半には、「革命レベルの変革が起きている~ボイステックスタートアップ座談会~」が掲載されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 日本は「言葉」が壁になり、「コンテンツ」が武器になる
◆ ディープラーニングが音声認識を飛躍させた
◆ ボイステック市場の拡大は、①業務効率化、②エンタメ性や楽しい要素
◆ 介護現場で高齢者向けにボイステックの活用可能性大
この本の締めくくりとして著者は、「ボイシーではスマホ1つで誰でも声の放送局ができる『声のブログ』とも呼ばれるサービスを提供しています。」と述べています。
そして、「ボイシーを起業するとき、せっかくやるなら、道なき道を開き、ゼロから文化と市場を作り世の中に新しい価値を生む事業にしたいと思っていました。」と続けています。
あなたも本書を読んで、「ボイステック革命」の可能性を知り、ビジネスでの活用を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3043日目】