「定年後うまくいく人、うまくいかない人はどこが違うのか?」と問いかけ、人生100年時代の生き方、働き方について論じた本があります。
本日紹介するのは、伊藤忠商事を経てソニーに入社し、米国シンガー社に転職後、ソニーに再入社して同社取締役、常務取締役、ソニーPCL社長などを歴任し、現在は株式会社CEAFOM社長の郡山史郎さんが書いた、こちらの新刊新書です。
郡山史郎『定年前後の「やってはいけない」』(青春新書インテリジェンス)
この本は、人材紹介会社を経営しながら、定年前の給食希望者、定年後の再就職希望者を合わせて3,000人以上を見てきて分かった、定年後にうまくいく人とうまくいかない人の違いを説明している書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.「働かない老後」から「働く老後」へ-意外と長い定年後
2.定年前後の「やってはいけない」-人生後半戦のスタートにはコツがある
3.いますぐはじめる暮らしの見直し方-お金、健康、人づきあい・・・はこう変える
4.人生100年時代を生きるヒント
この本の冒頭で著者は、「会社に定年はあっても、人生に定年はない」と述べています。
そして、定年後にあっさり仕事が見つかる人と見つからない人の違いや、再就職後に毎日が充実している人とそうでない人の違いは、以下の「やってはいけないこと」をしているかどうかで判断できる、と指摘しています。
◆ やりたい仕事、給与にこだわり、転職を繰り返す
◆ 年金がもらえるまで、会社の雇用延長制度を利用する
◆ 過去の人脈を頼りに、仕事を紹介してもらおうとする
◆ 何かに役立てようと、資格・勉強に時間とお金を使う
著者の郡山さんは、前著『九十歳まで働く!』の中で、日本社会は90歳まで現役が当たり前になるぞと予言すると同時に、自らも90歳まで現役を貫くと宣言しています。
そして、90歳までの人生をサッカーの試合になぞらえて、前半戦を第1ハーフ、後半戦を第2ハーフと呼んでいます。
本書によれば、45歳を過ぎると新しい能力はほとんど身につかない、と述べていて、人間の能力は45歳でピークを迎える、という説を紹介しています。
この点については、私は別の見解を持っていますが、「人生は後半戦のほうが、ずっと楽しい」という著者の主張には共感します。
私の場合は、44歳からビジネス英語力の強化に取り組み、1年後の45歳でTOEIC500点を875点に上げた経験があります。
さらに10年後の54歳で自己ベストを更新して、TOEICスコアは955点まで上がりました。
しかしながら、その後にこの本で述べている役職定年を迎えた時の心構えに関する記述には、全面的に同意します。
「よかった。これで第2ハーフを充実させるてめの準備に取り掛かることができる」と喜ぶのが正しい、と著者は述べています。
定年後の人生の方がずっと長いのだから、それに向けた意識改革を早い段階からはじめるべき、という著者の主張は、私の新刊著書『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)で提唱している考え方と共通です。
このあと本書では、定年後の仕事を充実させるためのコツおよび暮らしの見直し方を以下の通り、紹介しています。
◆ 安い、やめない、休まない
◆ 「選手」から「コーチ」に変わる
◆ 天職は2回が限度
◆ 生活水準は上げるな
◆ 老後資金は「貯める」より「稼ぐ」
◆ 高収入を目指さない
◆ 借金は定年後まで持ち越さない
◆ 義理と礼を欠くのは高齢者の特権
◆ 人に頼らず自分でやるクセをつける
◆ ジム通いは「手段」であって「目的」ではない
さらに、「やってはいけないこと」の裏返しとして、人生後半に「やってほしいこと」を著者は、次のように提唱しています。
◆ 健康管理を心がける
◆ 社会との接点を持つ
◆ 服装、身だしなみ
◆ クルマは最小限で、ゆっくりした運転を
◆ 読書はおもむくままに
◆ お酒はたしなむ程度
◆ 規則正しい生活、生活管理
◆ 家事、ゴロ寝、テレビ、散歩
この本の最後で著者の郡山さんは、「自分の人生という船の舵を、自分自身で取り続ける」ことを説いています。
要は、自分以外の何かに依存しないことです。
あなたも本書を呼んで、第2ハーフの人生を充実させませんか。
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では、今日もハッピーな1日を