「老後ひとりになったとき、どこで最期を迎えますか?」― この問いに、明確に答えられる人は多くありません。本書は、その “見えにくい現実” を突きつけ、私たちに考えることを迫ります。
本日紹介するのは、1975年大阪府生まれ、神戸大学大学院修了、学術博士を取得後、現在は追手門学院大学地域創造学部教授として、ひとり親世帯やDV被害者、セクシュアルマイノリティの住生活問題を研究する葛西リサさんが書いた、こちらの書籍です。
葛西リサ『単身高齢者のリアル ー 老後ひとりの住宅問題』(ちくま新書)
本書は、単身高齢者が直面する住宅問題を、現場の実態と制度の課題の両面から描き出し、「最期の居場所」をどう確保するかを問う一冊です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.孤独死の現場から
2.どこで最期を迎えるか――高齢者の住宅問題
3.単身化する日本――住宅難民予備軍の実態
4.不動産会社による居住支援――「隙間のケア」をどうするか
5.家で安心して最期を迎えるために必要なこと
本書の前半では、孤独死の現場から見える現実と、その背景にある社会構造が描かれます。決して他人事ではない問題です。主なポイントは以下の通りです。
◆ 孤独死が日常的に起きている現実
◆ 発見が遅れる「孤立」の問題
◆ 不動産業界が孤独死を避ける理由
◆ セルフネグレクトという見えにくい課題
◆ 家族機能の変化と「自助」の限界
この本の中盤では、高齢者の住宅問題と、日本社会の制度的な課題が掘り下げられます。住まいを巡る環境は厳しさを増しています。主なポイントは次の通り。
◆ 持ち家神話の崩壊
◆ 高齢者が賃貸住宅に入れない現実
◆ 公的住宅政策の不足
◆ 非正規・単身者の居住貧困
◆ 「住宅すごろく」が成立しない時代
本書の後半では、民間や地域による支援の取り組みと、これからの住まいのあり方が提示されます。新しい選択肢が見えてきます。主なポイントは以下の通りです。
◆ シェアハウスや集住の可能性
◆ 不動産会社による生活支援サービス
◆ 多世代・非血縁の共生モデル
◆ 見守りサービスの活用
◆ 安心して最期を迎えるための条件
老後の住まいは、「お金があれば解決する問題」ではありません。本書は、社会構造そのものに目を向けながら、これからの生き方を問い直す視点を与えてくれます。
単身世帯が増え続ける現代において、すべての人に関わる重要なテーマを扱った一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【4108日目】