「これまでの仕事をすっぱりと辞めるのには勇気がいります。そこで、都会での仕事拠点はそのまま維持して、それ以外の時間を地方で暮らす『2拠点生活』はどうでしょう。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業、日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授で、50年間集めてきたコレクションを展示するB宝館(埼玉県所沢市けやき台2-32-5)が話題の森永卓郎さんをはじめ、計8名の方が書いた、こちらの書籍です。
森永卓郎ほか『楽しい! 2拠点生活』(世界書院)
この本は、7人の2拠点生活者と1人のコーディネーターがそれぞれの考え方にもとづき、それぞれの生き方を実践する2拠点生活の経緯と収支などのリアルを紹介している書です。
本書は以下の8名のレポートで構成されています。
1.森永卓郎:トカイナカの所沢(農業)と東京(ホテル滞在)
2.藤井誠二:東京と沖縄(沖縄本を執筆)
3.佐々木俊尚:東京、軽井沢、福井の3拠点生活
4.斎藤健一郎:東京と八ヶ岳(エコハウス)
5.石山アンジュ:東京と大分豊後大野
6.高橋公:移住コーディネーター
7.手塚美恵:東京と群馬県嬬恋村
8.三廻部麻衣:福島と東京(ホテル滞在)
この本の冒頭で著者は、「2拠点生活」の厳密な定義はないものの、あえていうなら、別荘暮らしでもなく、移住生活でもない生き方で、2つの ”生産拠点” を持つ暮らし、としています。
7名の2拠点生活および1名のコーディネーターのレポートにおける主なポイントは以下の通りです。
◆ 近所で畑を作り始めたら、非資本主義のコミュニティが増えた
◆ 2拠点生活は最大のリスクヘッジ
◆ 庭を畑にできるのが理想の家、住み開きという方法も
◆ 沖縄は本土(タマト)に対する複雑な思いも
◆ 新しい土地で関係人脈を作るのは最初に誰と知り合うかが重要
◆ 東京以外に避難できる場所として、軽井沢を原稿執筆を集中して行う拠点に
◆ 毎月1週間は軽井沢、そのほか妻が陶芸をする福井県の「越前陶芸村」を3拠点目に
◆ 多拠点生活は、➀人間関係の違い、②移動の問題、③生活の身軽さの3つがポイント
◆ 多拠点生活だと、モノが減り、生活がシンンプルに
◆ 極力、電力に依存しない5アンペア生活に挑戦
◆ 八ヶ岳にすべてを再生可能エネルギーでまかなう0アンペアのエコハウス建設
◆ シェアリングエコノミーで「豊かさ」の価値観が変化
◆ 成長からリスクと共存へ
◆ 所有からシェアへ(資源は無限から有限へ)
◆ 大きなものに依存から小さな複数のものに依存
◆ 利己的~利他的に
◆ お金から人とのつながりへ
◆ ふるさと回帰支援センターで2拠点生活の相談(30~40代)
◆ 関係人口を増やす2拠点生活
◆ 冬が厳しい地域はよく調べてから決めること
◆「2拠点+α」の生活へ
この本の締めくくりとして著者は、「拠点へのかかわりはグラデーションンがあっていい」と述べています。
貴方も本書を読んで、リスクを回避する手段として、2拠点生活を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3002日目】