「ニッチなビジネスを成立させるものは、あなたが売っている商品やサービスの尖ったウリを見つけ、言葉にして伝えることです。」と述べて、「何をウリに設定すればいいのか」、「どう表現すればいいのか」を解説している本があります。
本日紹介するのは、クリエイターとしてSONY、サントリー、JT、雪印などの大手企業から中小零細企業まで2,200社のマーケティング活動を担当して売り上げ拡大に貢献してきたコピーライター、製造業のマーケティング・コンサルタントで、日本工業大学大学院教授の弓削徹さんが書いた、こちらの書籍です。
弓削徹『即買いされる技術 キャッチコピーはウリが9割』(秀和システム)
この本は、ウリの重要性、ウリを発見する考え方や発想の枠組みを提示し、実際にウリを見つけることに取り組んだ中小企業の物語を紹介して、さらにそのウリが刺さるお客様を決めて絞り込む方法、そのお客様と出会うための工夫と、発見したウリをどんな言葉で発信していけばよいかを、わかりやすく解説した書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.はじめに
2.お客様が欲しくなる「セツジツ」を探す
3.広げるな! ターゲットを絞ろう
4.「商品」ではなく「使い方」を売ろう
5.強みを活かす? 弱みも立派な武器になる!
6.ウリを拡散するには「このやり方」でいく
7.おわりに
この本の冒頭で著者は、あなたの商品が本当に人の役に立つよいモノなら、「正しいウリを伝えることはあなたの義務」であると述べています。
本書の前半では、「お客様が欲しくなるセツジツ」および、「ターゲットを絞る」ことについて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ウリとは選ばれる理由
◆「誰に何をどう売るか」がマーケティング
◆ ウリとは、時代や市場環境、技術革新、そして人々のニーズが変われば価値を変えていく
◆ 売れるキャッチコピーとは、「ウリを見つけるプロセス」
◆「ウリ=価値の本質」がわかれば時代を超えられる
◆ 理想のウリは「セツジツ」であること
◆ ビジネスを絞り込めば勝ちやすくなる
◆「ウリとターゲット」はセットで考える
◆ ウリには「最適なサイズ」がある
◆ 同じ商材でも「相手変われば価値変わる」
◆ リアル店舗の価値は、①接客力、②商品力、③体験力
◆ リアル店舗の方向性は、①専門化、②サービス化、③イベント化、④スクール化、⑤B to B化
この本の中盤では、「商品ではなく使い方を売る」こと、および「弱みを武器にする」ことについて解説しています。著者があげる主なポイントは次の通り。
◆ パッケージが買う意理由を伝える
◆ 衰退産業には残存者利益がある
◆ 1つの商品に最低10個は切り口を見つける
◆ ウリを見つけるフレームワーク「SWOT分析」
◆ 弱みをウリに変える
◆ 小さな山の頂上を目指す
◆ ネットを使ってウリを検証する
◆ 売りは「デ・キ・物」(デザイン・キーワード・物語」で打ち出す
本書の後半では、「売りを拡散するやり方」を以下の通り解説しています。
◆ ウリを「コンセプト文」に書き表す
◆ キャッチコピーは「誰に」「何を」「どう言うか」
◆ 会社のウリでお客様に見つけてもらう
◆ 秒でウリが伝わるキービジュアルの活用
◆ ウリをコンテンツで蓄積していく
この本の締めくくりとして著者は、「一見、無関係に見える業界の事例を工夫して取り入れることができれば、ぞれは競争力になる」と述べています。
本書には多数の事例が掲載され、説明していくスタイルをとっているので、「慣行が違うウチの業界ではどんなやり方なら可能だろうか」、「ウチの会社の商品に当てはめるとどうなるか」という観点で読めば、とても役に立つでしょう。
これは戦略によく使う用語で「アナロジー」と言い、異業種での成功事例をいったん抽象化し、それを自社の業種への取り組みに当てはめるにはどうすればいいかを考える手法。私も戦略立案のコンサルティングや企業研修でよく説明していて、絶大な効果を発揮します。
あなたもこの本を読んで、「刺さるウリの見つけ方、伝え方」を学び、ぜひビジネスで実践してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2582日目】