書評ブログ

『自助の時代 生涯現役に向けたキャリア戦略』

「”一生1社” が美徳の時代は終わった」にと述べて、生涯にわたるキャリアを自らの力で構築する「自助の時代」が到来したと解説している本があります。

 

本日紹介するのは、1960年東京生まれ、一橋大学法学部卒業後、日商岩井(現・双日株式会社)、ソロモンブラザーズ・アジア証券会社(現・シティグループ証券株式会社)、株式会社ブリヂストン等、多様な業種において人事業務、営業・マーケティングを中心にキャリアを積み、人材紹介の東京エグゼクティブ・サーチ(TESCO)を経て、2003年に佐藤人材・サーチ株式会社を設立、現在は同社代表取締役社長佐藤文男さんが書いた、こちらの書籍です。

 

佐藤文男『自助の時代 生涯現役に向けたキャリア戦略』(労務行政)

 

この本は、人生100年時代を生き抜く「自助の時代」において、40代、50代の会社員に向けて働き方を指南してくれる本です。

 

 

本書は以下の11部構成から成っています。

 

1.定年はゴールではない、あらためて生涯現役の意味を考える

2.人生100年時代における生涯現役に向けたキャリア変革の必要性

3.働き方や生涯現役に関する対談からの考察

4.筆者が考える生涯現役論

5.「人物評伝」偉大なる生涯現役の先駆者に学ぶ

6.生涯現役に向けて発想の切り替えから始めよう

 

7.生涯現役に向けた実践アプローチ

8.パターン別の生涯現役を探求する

9.生涯現役の意義を考える

10.「働き方改革」と生涯現役を考える

11.生涯現役に向けた心構え

 

 

この本の冒頭で著者は、「いかに仕事を継続していくか、社会に貢献していくかを本気で考える時代になったといえる。キャリアプランニングに対する自己責任、いうなれば ”生き方” への自己責任が求められている」と述べています。

 

 

本書の前半では、定年はゴールではない、あらためて生涯現役の意味を考える」「人生100年時代における生涯現役に向けたキャリア変革の必要性」および働き方や生涯現役に関する対談からの考察」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 人生100年時代を生き抜く「二毛作」戦略

◆「一生1社」の固定観念からの脱却

◆「70の手習い」も当たり前に

◆「一生涯を貫く仕事を持つ」という福沢諭吉の「心訓」

 

◆ 現在の組織を離れて、次に活躍できるフィールドを戦略的に確保

◆ 生涯現役のためには、社会から求められる「知的アセット」があること

◆ 自分の「好き」と「得意」を誰かに提供するのが仕事

◆ まず個人の自立、独立があって、それを補完する政治や社会保障がある

 

◆ 働き方改革こそ「良し悪し」ではなく、「好き嫌い」で考えるべき

◆ ビジネスは植物と同じ、3年ぐらい花が咲くかどうか見当がつかない

◆ お金ではない自分の「知的アセット」を増やせば、絶対に誰かが買いに来る

◆ 生きていて、「仕事」が一番楽しい

 

 

この本の中盤では、筆者が考える生涯現役論」「人物評伝偉大なる生涯現役の先駆者に学ぶ」および生涯現役に向けて発想の切り替えから始めよう」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 小規模でも無借金経営で低空飛行で継続することが生涯現役には重要

◆ 4要素(就職・転職・起業・海外赴任)によるキャリア変革

◆ 61~65歳は現在の仕事継続、66~70歳は現役ヘッドハンター+大学での育成に注力

◆ 71~75歳は現役ヘッドハンター+後輩育成に注力、76~80歳は後輩の育成のみ

 

◆ 生涯現役を実現する必須要件:①健康(運動・食生活・心)、②人との接点、③趣味、④蓄え、⑤家族

◆ 中村天風、高橋政知、大谷栄太郎に学ぶ

◆ 定年は自分で決めるという意識改革

◆ 60歳を40歳ととらえる年齢意識改革

 

 

本書の後半では、生涯現役に向けた実践アプローチ」「パターン別の生涯現役を探求する」「生涯現役の意義を考える」「働き方改革と生涯現役を考える」および生涯現役に向けた心構え」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 80歳までのキャリア開発シートを作成

◆ 他者に頼らない真の自立を

◆ 副業から起業へ、50代または60代で起業

◆「お一人さま起業」の一般化

 

◆ 地方創生に貢献する

◆ 社会とのつながりを維持する

◆ 仕事を楽しめることこそ、プロ人材

◆ 少子高齢化社会をチャンスに

 

 

本署で提唱している「生涯現役のキャリア戦略」は、拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)および『定年後不安』(角川新書)にて私が推奨している「お金」「孤独」「健康」の定年後三大不安をすべて解決できる「トリプルキャリア」で生涯現役のライフスタイルを構築するというコンセプトと共通する部分が多く、心から共感し、深く感銘を受けました。

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「自助の時代」はいわば「自立の時代」とも言える、と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、生涯現役に向けたキャリア戦略を考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3028日目】