書評ブログ

『仕事ができる人の話し方』

「新型コロナウイルスをきっかけに、あらゆる分野でデジタル化が急速に進む中、働き方もコミュニケーションのとり方も、多様に変化しています。」「これからの時代はますます、対面、オンラインどちらもうまく話せる人がチャンスを手にしていきます。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、青山学院大学経営学部卒業、中部日本放送アナウンサーを経て、NHK衛星放送キャスターとして、株式市況、世界のトップニュースを10年担当、20年にわたり、スポーツ、経済、情報番組に関わった後、現在はビジネス現場でコミュニケーション力を発揮し、成果を出す人材を育成する研修、講座、講演をを行っている他、経営層・管理職・エグゼクティブリーダー向けプレゼン、スピーチのパーソナルトレーニングを行っている WACHIKAコミュニケーションズ株式会社代表取締役阿隅和美さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

阿隅和美『仕事ができる人の話し方』(青春出版社)

 

この本は、著者がこれまでの経験から体系化した、うまくいく話し方のセオリーをベースに、「対面でも、オンラインでも両方で活用できる方法」を、できるだけ身近なビジネスシーンに置き換えて伝えている書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.できる人の「話のキッカケ」のつくり方

2.できる人の「話の引き出し方・盛り上げ方」

3.できる人の「大事なことをしっかり伝える」話し方

4.できる人の「聞き上手」な話し方

5.できる人の「場をコントロールする」話し方

6.オンライン場面別、うまくいくシナリオ例

 

 

この本の冒頭で著者は、できる人の「話のきっかけ」のつくり方について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 初対面の相手との会話で何より大切なのは、「心の距離を縮める」こと

◆「相手にとって身近なこと」について質問を投げかける

◆ 相手にカズタマイズした雑談ネタを用意する

◆ 小さな提案から始める「フット・イン・ザ・ドア」テクニックを使う

 

◆ セミナー講師は、冒頭の一言で「参加メリット」をひと言伝える

◆ 会社説明は「ストーリー仕立てに

◆ 有意義な会議にするには、最初に目指すゴールを共有し、発話のウォーミングアップを

◆ オンライン会議は、➀事前共有、②名前の表示、③チャット入力の簡素化ルールを工夫

 

 

本書の前半では、できる人の「話の引き出し方・盛り上げ方」についてビジネスシーン別に考察しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 自分が話すよりも質問を優先する

◆ 選択式の質問でヒアリングする

◆ 性能相手のメリットに「口コミ」を追加する

◆ 相手も困り事を優先、予想される困り事を複数提示

 

◆ 話すタイミングは、発言者に視線と発言の理由を

◆ 頭の中の地図を具体的に言葉にして相手に伝える

◆ セミナーでは双方向のコミュニケ―ションを

◆ 中だるみや離脱を防ぐ「質問をはさむ」テクニック

 

 

この本の中盤で著者は、できる人の「大事なことをしっかり伝える」話し方について、以下のポイントを挙げて解説しています。

 

◆ 何が言いたいかを「結論ファースト」で端的に伝える( PREP法)

◆ はじめに全体像を手短に伝えて、話の「地図」を見せる

◆ ニュースの伝え方(リード、概要や背景、状況・感想・エピソード)を使う

◆ スピーチは3分、発言は30秒という「時間感覚」を

 

◆ 難しい話をわかりやすく伝える「置き換え話法」

◆ 言葉に気持ちを乗せる「イメージ話法」

◆ 話し言葉や効果音で「心に届く」話し方を

◆ 1スライド1メッセージで紙芝居風に見せる

 

 

本書の後半では、できる人の「聞き上手」な話し方および「場をコントロールする」話し方について記されています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 傾聴の合図と「うなづき+あいづち」で本音を引き出す

◆「心理的な安全性」により自由な意見を引き出す

◆「自己開示+質問」で警戒心を抱かせない

◆ ピンポイントであいづちを打つと話が盛り上がる

◆ ネガティブな話題には「寄り添う言葉」をかける

 

◆「ありがとう」+感想で、モチベーションアップを

◆ 未来思考に時間を使う

◆ 指名してから質問内容を伝える

 

◆ グループワークはルール決めを明確に

◆ 受講者を観察して気持ちをフォローする

◆ 見せたい自分を決めて相手の反応に一喜一憂しない

 

 

この本の最後で著者は、オンライン場面別「うまくいくシナリオ例」を以下の通り紹介しています。

 

◆ 営業セミナーの「AIDMA」

◆ 商材デモンストレーションの冒頭で「ご要望の確認」を入れる

◆ 採用面接の自己PRは、相手視点で自分の価値を結論先行で伝える

 

 

本書の締めくくりとして著者の阿隅和美さんは、著名人、経営者、専門家、リーダーとして活躍されている方たちの話し方の共通点として、「相手視点に変換して話すこと」を挙げています。

 

 

この点をさらに詳しく学びたい方は、著者の前著『こころをつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)をぜひ併せて読むことをお薦めします。

 

 

あなたも本書を読んで、対面・オンラインで使い分ける「会話に困った時、このまま使えるパターン130」を学び、「仕事ができる人の話し方」を実践してみませんか。

 

 

2021年6月16日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第210回】仕事ができる人の「話し方」にて紹介しています。

 

 

 

ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【2545日目】