書評ブログ

『老化と脳科学』

老化研究の最先端情報を吟味し、老化による脳の衰えや病気を遅らせることはできるのかについて考察・紹介している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1948年東京都生まれ、東京大学卒業理学博士で、細胞生物学者山本啓一さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

山本啓一『老化と脳科学』(インターナショナル新書)

 

 

この本は、「脳を老けさせないため」にいったい何が有効なのかを紹介し、さらに運動・睡眠・食事など日常生活へのアドバイスも掲載している書です。

 

 

 

本書は以下の9部構成から成っています。

 

 

1.はじめに

 

2.脳と記憶

 

3.海馬の老化と認知症

 

4.アルツハイマー病

 

5.海馬の活性を維持するには

 

 

6.睡眠と脳

 

7.海馬の老化を防ぐ食事

 

8.脳の死と人の死

 

9.あとがき

 

 

 

この本の冒頭で著者は、脳の構造と記憶について、海馬の神経細胞の増殖が記憶の忘却に関係している、という学説を紹介しています。

 

 

 

そして従来の学説が最近は覆され、大人の海馬細胞でも増殖が起こっている、とされています。

 

 

 

続いて「認知症」については、高齢になると海馬の神経細胞が老化し、シナプス(神経細胞間の接続)が減少することから起こります。

 

 

 

そのメカニズム2通りの仮説があり、以下の通りです。

 

 

◆ 海馬神経細胞を活性化する物質Xが加齢により減る

 

◆ 海馬神経細胞を不活性化する物質Xが加齢により増える

 

 

 

さらに本書では、アルツハイマー病について、その原因やメカニズムを考察しています。

 

 

 

アルツハイマー型認知症の原因はまだ解明されていませんが、有力な説は「アミロイド斑」が凝集して脳神経のネットワークを破壊するというもので、脳の炎症反応によりミクログリアが活性化することが関係すると言われています。

 

 

 

次に、炎症反応の中で、穏やかに進む慢性の白血球の攻撃が、以下のようなさまざまな病気の原因になることが分かってきたことを紹介しています。

 

 

◆ 動脈硬化

 

◆ Ⅰ型糖尿病

 

◆ 関節リウマチ

 

◆ アレルギー

 

 

 

これら炎症反応に対しては、オメガ3系脂肪酸抗炎症薬と同じ働きをすると言われており、肉より魚を多く食べ、時々ナッツをつまむという食生活で、上記の病気やアルツハイマー病を防ぐことができるそうです。

 

 

 

またこの本では、生活改善により、老化を防止し、アルツハイマー病を予防することが推奨されていて、以下のような生活を挙げています。

 

 

◆ 散歩のような軽い運動

 

◆ 緑の中を歩く

 

◆ 朝早く起きてガーデニング

 

◆ 同じ姿勢を長時間続けない

 

 

 

◆ 頭を使う(本を読む、日記を書く、ゲームをする)

 

◆ 人づきあい

 

◆ カロリー制限(腹八分目)

 

◆ 質のいい十分な睡眠(脳の老廃物を除去)

 

 

 

本書の最後には、老化と食事および脳の死と人の死について書かれています。

 

 

 

詳細についてはぜひ、本書を手に取って確認してください。

 

 

 

あなたもこの本を読んで、老化と脳科学について最新の知見を学び、生活習慣を改善してみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!