「これからの20年間は、居場所次第で右肩上がりの人と右肩下がりの人に、ほぼ二分されるだろう」と予測を述べ、「先の先を読んで今起こすべき行動を起こし、明るい未来を感じながら令和時代を生きてほしい」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1966年富山県生まれ、早稲田大学法学部卒業、国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年レオス・キャピタルワークス創業、主に日本の成長企業に投資する「ひふみ投信」シリーズを運用しているレオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長、投資家・ひふみシリーズ最高投資責任者の藤野英人さんが書いた、こちらの書籍です。
藤野英人『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)
この本は、ビジネスや投資で成功しやすくなるように、「先の先を読む思考力」を鍛えて未来を予測しようとし続けることができるようにするための書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.はじめに 先の先を読むことができれば、かなりの成功が約束される
2.「先の先」を読むために「今」を知る
3.「思考」を広げて先の先を読む
4.先の先を読むための「材料」の集め方
5.今この時代に「伸びる会社」の共通点
6.先の先に見えてきた「未来のかたち」
7.先を読むことと同じくらい大切なこと
8.おわりに 自分が関与することで変わるかもしれない未来
この本の冒頭で著者は、「先の先を読むのは、トランプの神経衰弱のようなもの」と述べています。「場に出ているもの」と「手元の札」を見ながら、自分の周囲や対峙している相手にこれから何が起きるのかを考えるのです。
本書の前半では、「先の先を読むために今を知る」について、以下のポイントを解説しています。
◆ 短期は読めないが、中長期は予測できる
◆ 株式市場はつねに「未来」にだけ開かれていて「差別」がない
◆ 今起きている変化を「生活者」として捉える
◆ おじさんには見えていない変化が、若い人たちには見えている
◆ 先を読むために、自分を「令和型」にアップデートする
この本の中盤では、「思考を広げて先の先を読む」および「先の先を読むための材料の集め方」について説明しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 他者の視点を取り入れる(他人の頭で考える)
◆ 偏らず、フラットでいる(自分を俯瞰して見る)
◆ 好き嫌いを大事にする(好きなことをやっている集団は勝ちやすい)
◆ 遠回りしてみる(王道からはずれることで見えたもの)
◆ 若い感性を取り込む(コミュニケーションの軸足を若い世代に移す)
◆ 並行していろいろ考えることで情報が化学反応を起こす
◆ 学びの最初だけ集中、「初速」を重視する
◆ 多様な体験を積んで「横展開」することで自分のバリューを上げる
◆ アンラーニングすることで、つねに自分をアップデートする
◆ アンラーニングのために、読書と若い人に会うこと
本書の後半では、「今この時代に伸びる会社の共通点」「先の先に見えてきた未来のかたち」および「先を読むことと同じくらい大切なこと」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆「なぜ」を考え続ける会社は成長する
◆ 業界の秩序を乱すことを恐れない経営者に注目
◆ 優秀な会社を探すには、優秀な経営者を探す
◆『会社四季報』とホームページで経営者の情報をチェックする
◆ ウェルビーイングを突き窮する企業が成長する
◆ 富や健康より「PERMA(パーマ)」
◆ 人間の主観的な幸福度を上げるにはどうするかを考える
◆ 今後の課題は、ポジティブ・インベストメント
◆ 行動を変えないのであれば、未来を読む意味はない
◆ 今の日本には「失望最小化戦略」を選ぶ人が多い
◆「勝つか負けるか」ではなく、「勝つか学ぶか」
◆ 過去は変えられないが、起きたことの意味は変えられる
この本の締めくくりとして著者は、「未来の中に自分が果たす役割を入れて考えること」および「自分が及ぼせる影響力を過信しないこと」の両方が大切だ、と述べています。
そして著者の藤野英人さん自身は、「ファイナンシャル・インクルージョン」、すなわち、普通の人々が金融にアクセスできるようにすることが大事だ、と宣言しています。
あなたも本書を読んで、プロ投資家が提唱する「先の先を読む思考法」を学び、未来を読んで行動を変えていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2759日目】