「生き残りを懸けたメディアの攻防戦がすでに始まっている」と指摘している本があります。
本日紹介したいのは、ジャーナリスト、評論家の武田徹さんが書いた、こちらの新刊新書です。
武田徹『なぜアマゾンは1円で本が売れるのか-ネット時代のメディア戦争』(新潮新書)
この本は、新聞、出版、テレビ、SNS、ニュースサイト、ニコニコ動画など、ネット時代のメディアによる生き残りを賭けた熾烈な攻防戦を、これまでの歴史的変遷を踏まえて描いている書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.コンテンツとメディアの興亡
2.大日本印刷の新展開
3.だれが「本」を守るのか
4.活版印刷が消えた日
5.ソーシャルメディアは何を変えようとしているのか
6.スマホ化後のジャーナリズム
7.テレビの見る「夢」
8.ニコニコ動画が誕生するまで
9.ドワンゴが創出したコミュニティ
本書の冒頭で著者は、「デジタルは活字を殺すのか」という問題提起をして、コンテンツとメディアを定義し、「活字を職工が拾い上げて輪転機にかける」印刷の方式から、「自動鋳植機」、さらに、「電算写植(CTS)」へと技術が変遷してきたことを解説しています。
その間の移行については、元読売新聞記者の杉山隆男が書いた『メディアの興亡』(文春文庫)を引用して、分かりやすく、リアルに説明しています。
また、大日本印刷が印刷分野の電子化への対応とともに寡占を進める一方で、書店経営にも乗り出す新たな戦略について、ネットとリアル書店の融合を進める施策を解説しています。
いわゆる「ハイブリッド型総合書店」を展開する honto の活用です。さらに、大日本印刷の「書店に科学を持ち込みたい」という戦略を具体的に解説していて、参考になります。
本書の中盤では、「再販売価格維持制度」と「返品条件付き委託制度」という、出版業界の「出版文化」を守るという理念も、いつか臨界点を超える、と警鐘を鳴らしています。
さらに、本書の後半では、スマホ化の潮流、ソーシャルメディアの台頭、ニュースキュレーション・アプリの特徴、ニコニコ動画の誕生と進化について、詳しい考察が記されています。
また、本書の特徴として、ネット時代への移行に向けての、メディアの変化について、さまざまな書籍が紹介、引用されていて、深い見識に基づいた分析が印象的です。
紹介・引用されている書籍で参考になるものは以下の通りです。
あなたも本書を読んで、ネット時代のメディア戦争について、学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を