1つの会社に縛られる生き方はいつまで続くか、と問題提起をして、働き方の新たな選択肢として、「複業」を提示し、解説している本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学ビジネススクール教授の山田英夫さんが書いた、こちらの書籍です。
山田英夫『マルチプル・ワーカー 「複業」の時代-働き方の新たな選択肢』(三笠書房)
この本は、働き方の新たな選択肢として、よく言われる「副業」(本業に対するサイドビジネス)ではなく、複数の本業を持つ「複業」というコンセプトを紹介し、そのメリットや課題について、事例も交えて分かりやすく解説している書です。
本書は、以下の7部構成から成っています。
1.なぜ今、「副業」なのか 1つの会社に人生を任せるリスク
2.副業の「種類」と「実態」-社外でスキルを磨く新しい働き方
3.「複業」を促す新しい概念-未来を生き抜く鍵は、多様性と開放性
4.「複業」の事例研究-人と組織はどう変わるか
5.「複業」の意義-会社に支配されないキャリアの選択肢
6.「複業」の意義-文化・制度・価値観
7.【提言】「マルチプル・ワーカー」 個人と企業に win – win を築くために
この本の冒頭で著者は、「人生100年時代」が到来した今、個人の寿命が企業の寿命より長くなったため、人は組織のみに頼らず、それとは別の第二のキャリアを並行して始め、新しい世界を切り開いていくべき、というドラッカーの言葉を紹介しています。
そして、厚生労働省も2018年1月には「モデル就業規則」を改定し、経済産業省の研究会「人生100年時代」においても、技術の急速な変化の中で、スキルの賞味期限が短くなり、1つのスキルで活躍することは難しいと指摘されました。
そうした中で、兼業や副業、出向などの機会を増やし、個人が複線的なキャリアを形成できるようにすべきという動きになりつつあります。
次に、副業の分類として、収入の高低を横軸に、ケイパビリティ(遂行能力)の高低を縦軸に取ったマトリクスにおいて、以下の4つの象限による分類がなされています。
1.複業: 収入もケイパビリティも高い
2.幅業: 収入は低く、ケイパビリティは高い
3.伏業: 収入もケイパビリティも低い
4.副業」 収入は高く、ケイパビリティは低い
続いて、「複業」を促す新しい概念として、多様性と開放性への対応がポイントになってきます。
さらに以下のようなキーワードが今後は大切になってきます。
◆ パラレル・キャリア
◆ ポートフォリオ・ワーカー
◆ オープン・イノベーション
この本の最後には、副(複)業の問題が難しいのは、副業の経験のない経営陣が、副業解禁の意思決定を下さなくてはならない事にあります。
あなたも本書を読んで、1つの会社にいつまでも縛られることのない、働き方の新たな選択肢を探り、「複業」の時代について学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!