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『人生は図で考える 後半生の時間を最大化する思考法』

人生に「価値があるか」「幸せかどうか」を決めるのは、他の誰でもなく自分自身で、人生とは「本当の自分」に出会うための長い旅路だと述べて、自分自身の思考を最大限に武器として活用し、「人生とは何か」「幸せとは何か」をじっくり考えて行動していくことが、後半生をより良く生きる道になる、と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1965年生まれ、東京大学卒業、同大学院理学系研究科相関理化学修士、マサチューセッツ工科大学(MIT)MBA取得、ベイン・アンド・カンパニー、ローランド・ベルガーなどを経て、現在は筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授平井孝志さんが書いた、こちらの書籍です。

 

平井孝志『人生は図で考える 後半生の時間を最大化する思考法』(朝日新書)

 

 

この本は、著者がこれまで学んだことや失敗談などを題材にしながら、後半生を「図を使いながら」縦横に思索する試みの書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.図解で後半生を捉え直す

2.図解で自己実現する

3.図解でより良い選択を導く

4.図解で困難を克服する

5.図解で幸せを考える

 

 

この本の冒頭で著者は、「現在の私は、自分自身のコンサルタントでもあります。」と述べて、コンサルタントとして活用してきた図解思考とも呼べる武器は、後半生を考える上でも実際に役立つ、と説明しています。

 

具体的には、「21の思考法」ですが、「図」は物事を抽象化し、本質に迫るうえでの「思考の補助線」を提供してくれるから、ということです。

 

 

本書の前半では、「図解で後半生を捉え直す」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 分解して考える「要素還元主義」が近代化学発展の基礎概念

◆ 人生とはホロニック(部分と全体を併せ持つ)なもの

◆ 前半生=人生を構成していく時間

◆ 後半生=人生を統合し、味わう時間

 

◆ 未来(死や葬儀)から今をとらえ直す「バックキャスティング思考」

◆ 人生を無限競争にしない「オンリー・ワン思考」

◆ 自分を知るための二つの戦略論「ポジショニング論」と「資源ベース論」

◆ ポーターの「何処で闘うか」、バーニーの「何を武器に闘うか」

 

◆ 自分のオリジンを意識する「コミュニティー思考」

◆ 人生の「相転移」(=フェーズ・トランジション)を意識する

◆ 50歳を境に、前半生から後半生に「相転移」をする

◆ 人生の潮目を「相転移」で乗り越える「フェーズ思考」

 

◆ 後半生は「考動」で、意味づけする「センスメイキング思考」

◆ 環境を意味ある世界に変えていく「イナクトメント」

◆ 夢とはゴールではなく、過程(なぜ、どのように生きるのかというWhy、How)

◆ 今あるものの「統合」へ、「広げる」から「深める」へ

 

 

この本の中盤では、図解で自己実現する」および図解でより良い選択を導く」について考察しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 歳を取るほど時間を短く感じる「ジャネーの法則」

◆ 40歳で人生の83%、50歳で87%終了という体感時間

◆ 60歳までの60年の経験に1/61の新たな経験が加わって61歳になる

◆ 後半生では、「時間は大切な希少資源だ」

 

◆ ビジネスの経営戦略では、人・物・金・情報・時間の5つが「資源」

◆ ビジネスを人生に置き換えると、後半生では「時間」が最も希少な資源

◆ 後半生の戦略とは、希少な時間の「配分」と「運用」がポイント

◆「やるべき事」ではなく「やりたい事」に時間を配分する「ストラテジー思考」

 

◆ 人間の満足度を測るハーズバーグの「二要因理論」(衛生要因✕動機付け要因)

◆「衛生要因」とは、作業条件、給与、対人関係など、「不満足」につながる要因

◆「動機付け要因」とは、達成感、自己成長、承認など、「満足」を上げる要因

◆ 自分の強みこそ人生の針路とする「パーソナル・アンカー思考」

 

◆ 自分の将来図であり全体図を描く「ビッグ・ピクチャー思考」と「おでん図」

◆ 3つの戦略計画を立てる「プランニング思考」(中期計画・年次計画・PDCA)

◆ 座右の銘「至誠敬愛」「一燈照隅」

◆ 計画や企図がなければ、チャンスは目の前を一瞬で通り過ぎてしまう

 

◆ 偶然を楽しみ、偶然を必然に変える「エマージェンス思考」で創発を

◆ SST(Sensing 感知、Seizing 捕捉、Transforming 変革)

◆ 自己効力感(セルフエフィカシー)にはバランスが大事

◆ 計画も創発も、自己実現も承認も

 

◆ 好い加減(中庸)の尊さを知る「モデレイト思考」

◆ 二律背反を超えた両立を目指す「トレード・オン思考」

◆ アウトプットするためにインプットする

◆ 課題を抽象化することで、本質を見極める

◆ 問いの設定を変えて、視野を拡大する

 

 

本書の後半では、図解で困難を克服する」および図解で幸せを考える」について、著者の経験・見解を紹介・解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ ジョン・F・ケネディ大統領の「Life is not Fair.」(人生は公平ではない)

◆ 人生で大切なことは、現実が何かではなく、「自分がどうとらえるか」だ

◆ 諦めて、あるがままを受け入れる(全受容)、スペースの「明らめ」から先へ進む

◆ ストーリーで語る「ナラティブ思考」

 

◆ 過去と未来はつながっている「ヒストリー思考」と客観化した主観の「サブジェクティビ思考」

◆ ライフチャートで人生を「見える化」

◆ 幸せになることを「決める」

◆「今ここ」が人生のすべて

 

◆ 好きか嫌いかで判断する「自分らしさ」を

◆「次につなげる」というシンプル・ルール

◆ 死の直前まで、インプットとアウトプットを繰り返すのが人の命の本質

◆ 自己組織化現象と「散逸系」

 

 

この本は、私が拙著『定年後不安』(角川新書)『定年ひとり起業』(自由国民社)および『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)にて説いている「トリプルキャリア」による生涯現役の働き方とほとんど同じコンセプトで書かれていて、共感し、深く感銘を受けました。

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「本書では、自分自身が自分のコンサルタントになる方法について述べてきました。」と記しています。

 

それはすなわち、自分を主体的に客観化することでもあり、著者は「50歳を超えたところで新たなチャレンジを始めることができた」としています。それは、コンサルティング業界から教職への変化ではなく、「人生のギア・チェンジ」に気づけたことだそうです。

 

 

ビジネス書を多読していると、時に「人生を変える良書」との出会いがあります。この本は、私が頭の中で考えていることの殆どすべてを言語化している素晴らしい本で、まさに人生を変える『メンター原書』です。10年に一度の名著、ぜひ一読をお薦めします!

 

 

あなたも本書を読んで、後半生の時間を最大化する「21の思考法」を学び、人生を図で考えることにより、幸せな人生設計を目指してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2924日目】