2016年4月1日付ブログ記事で取り上げた楠木新『左遷論-組織の論理、個人の心理』(中公新書)にて最も数多く紹介・引用されていた書があります。
本日紹介したいのは、当時、大手広告代理店の東急エージェンシーの管理職であった江坂彰さんが書いた、こちらの本です。
江坂彰『冬の火花 ある管理職の左遷録』(文藝春秋)
この本は、著者の江坂彰さんが、大手広告代理店の東急エージェンシー大阪支社長の時に、同社の社長交代を機に「左遷」を経験した出来事を描いた書です。
会社組織におけるサラリーマンの悲哀を、理不尽な人事である「福岡支社長への左遷」という出来事を通して、その時の心情や周囲の人々の対応なども含めて書いています。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.左遷まで
2.空白の日々
3.博多にて
本書は最初から最後まで、「左遷」させられた主人公たる著者の心情や行動について細かに描写した書です。
著者の江坂さんは、「サラリーマンを一言で言えば、人事というもの、つまり自分の運命が自分でないものによって左右される存在につきる」と述べています。
本書は、主人公の江坂さんの日記という体裁を取っていて、一部、脚色(実際には「関西支社長から名古屋支社長への左遷」を、本書では「大阪支社長から福岡支社長への左遷」と変えているなど)をしているものの、概ね事実に即した内容です。
現職の管理職のまま本書を執筆したという意味において、著者の江坂さんの腹はもう固まっていて、開き直った心境だったと思われます。
実際に、江坂さんは本書を執筆後、1年してから出版、そして間もなく退職して独立し作家になっています。
本書で切々と語られているサラリーマン管理職の思いは、経験のある人なら誰でも分かる、共感できる心情や思いでしょう。
私が本書を知ったキッカケは、ブログの冒頭でも紹介した、楠木新さんの次の著書を読んだことです。
楠木新『左遷論-組織の論理、個人の心理』(中公新書)
あなたも本書を読んで、改めてサラリーマンの「左遷」の意味や、会社員でいることのリスクを考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を