書評ブログ

『「働き手不足1100万人」の衝撃』

「2040年に1100万人の働き手が足りなくなる」「日本社会に何が起こっているのか、何かが起こっているのではないかと感じたことはないだろうか。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、一橋大学大学院社会科学研究科を修了後、経済産業省入省、産業人材政策、福島復興、成長戦略立案などに携わり、2017年よりリクルートワークス研究所主任研究員古屋星斗さんとリクルートワークス研究所が書いた、こちらの書籍です。

 

古屋星斗リクルートワークス研究所『「働き手不足1100万人」の衝撃』(プレジデント社)

 

この本は、リクルートワークス研究所が発表した「未来予測2024ー労働供給制約社会がやってくる」という報告書をベースに、シミュレーションによる衝撃の未来予測と、これから取るべき4つの対策(打ち手)を提言している書です。

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。

 

1.働き手不足1100万人の衝撃

2.都道府県別&職種別 2040年の労働需給予測

3.生活維持サービスの低下と消滅

4.働き手不足の最前線・地方企業の窮状

5.働き手不足を解消する4つの打ち手

 

6.解決策① 徹底的な機械化・自動化

7.解決策② ワーキッシュアクトという選択肢

8.解決策③ シニアの小さな活動

9.解決策④ 企業のムダ改革とサポート

10.2040年の〝新しい〞働き方

 

この本の冒頭で著者は、「労働供給制約社会」というのは、みなが無人島に住むような社会だと述べています。つまり、人が生活にかける時間が増え、結果として生活に一杯いっぱいで「仕事どころではなくななってしまう」社会になってしまうのです。

 

 

本書の前半では、「働き手不足1100万人の衝撃および「都道府県別&職種別 2040年の労働需給予測」ついて、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 生活維持のための労働力がなくなる「労働供給制約」

◆ 20年で生産年齢人口は1428万人減少(人口減少1523万人)

◆ 高齢者は横ばいから微増、生活サービスの需要は拡大(高齢者の高齢化)

◆ 近畿地方の働き手が丸ごと消失

 

◆ 生活維持サービス7業種で労働供給が大幅に不足

◆ ドライバー不足率24%(輸送・機械・運搬)

◆ 建設不足率22%、生産工程不足率13.3%、商品販売不足率24.8%

◆ 介護サービス25.2%、接客給仕・飲食物調理不足率15.1%

◆ 保険医療専門職不足率17.5%

 

◆ 生活維持サービス充足率75%以下が31道府県

◆ 新潟58.0%、京都58.6%が最低水準、外向き産業に人材が向かう

◆ 東京、神奈川、千葉、大阪は充足、埼玉95.6%、福岡93.1%

◆ 年齢・性別に関係なく誰でも活躍できる社会をつくることが必須に

 

 

この本の中盤では、「生活維持サービスの低下と消滅」「働き手不足の最前線・地方企業の窮状」および「働き手不足を解消する4つの打ち手」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 2040年に1100万人の労働供給が不足する

◆ 労働供給は2027年から加速度的に減少していく

◆ 労働需要は横ばいで、高齢者の高齢化によりむしろ増加する

◆ 人材確保が最優先の経営課題になる

 

◆ 労働供給制約とは、エッセンシャルワーカーの圧倒的な不足

◆ 生活が大変で、仕事どころではなくなる

◆ イノベーションを起こす余力もなくなる

◆ 若手の希少性が地方ほど高まる

 

 

本書の後半では、「解決策① 徹底的な機械化・自動化」「解決策② ワーキッシュアクトという選択肢」「解決策③ シニアの小さな活動」「解決策④ 企業のムダ改革とサポート」および「2040年の〝新しい〞働き方」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 人手不足対策の三種の神器:①シニア、②女性、③外国人では間に合わない

◆ 4つの解決策:①機械化・自動化、②ワーキッシュアクト、③シニアの小さな活動、④仕事におけるムダ改革

◆ デジタルに寛容なロボット・フレンドリー社会に

◆ ワーキッシュアクトとは、本業・仕事以外の誰かの何かを担う活動

◆ アプリ『TEKKON』やランパトで自分の居場所を実感

 

◆ 誰かの何かの役に立つという、新しい「働き方」の創造

◆ シニアの小さな活動が現役世代を助ける

◆ シニアにとって、①建設的な生活リズム、②無理がない、③ゆるやかなつながり

◆ 労働需要を圧縮する企業の「ムダ改革」

◆ 社外活動を促進する職場での「ソーシャル・サポート」

 

◆ 消費者と労働者の境目が曖昧になる

◆ 働き手が神様に

◆ 労働が楽しくなる

◆ 省力化産業によって、生活維持サービスを成長産業にする

 

この本の締めくくりとして著者は、「2040年の二つの日本」という未来像を描き、今後の日本がどちらに向かうべきかを問いかけています。

 

 

あなたも本書を読んで、労働供給制約社会という「危機の時代」を「希望の時代」にするために、行動を起こしていきませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3335目】