アドラー心理学では、「自分らしさ」、専門的に言うと、「一人ひとりが持つ固有の能力(リソース)」を非常に重視します、と述べて、勇気づけによって、自分の存在価値や魅力に気づき、自信を持って人生と向き合えるようになっていく、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、昨日に続き、1947年栃木県生まれ、早稲田大学卒業後、外資系企業の管理職などを経て、1985年にヒューマン・ギルドを設立し、アドラー心理学に基づくカウンセリンング、カウンセラーの養成をしてきたアドラー心理学カウンセリング指導者、上級教育カウンセラーの岩井俊徳さんが書いた、こちらの書籍です。
岩井俊徳『アドラー流「自信」が生まれる本:気がつかなかった魅力が見つかる「3つの質問」』(王様文庫)
この本は、「勇気づけの心理学」とも言われるアドラー心理学によって、困難を克服する活力を与え、他人に対して行うだけでなく、自分への勇気づけの大切さを伝え、アドラー心理学によって人生を変えていくためのコツをまとめた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.はじめに アドラー心理学で「新しい自分」に出会う
2.アドラー流「魅力」と「自信」の法則-新しい自分を引き出す3つの質問
3.「どこに向かっているか」わかる人は輝いている-人が3カ月で変わるターニングポイント
4.あなたの中の「オリジナリティ」の見つけ方-「人と違うところ」に大切なものがある
5.自分にあげたい言葉、きっかけ、ご褒美-「勇気づけ」というすごい力
6.「期待」が人を大きくする-「クリエイティブ・セルフ」のすすめ
この本の冒頭で著者は、日常生活の中で、これまで気づかなかった自分の魅力を見つけ、元気と自信がわいてくるには、どうしたらいいのでしょうか、と問いかけ、次の「3つの質問」への答えを求めることを紹介しています。
◆「新しい人生」をどう切り開きたいですか?
◆「本当の目標」は何ですか?
◆「後戻りしない」ために何をしますか?
続いて、アドラー流のエッセンスである、「人生の主人公」は自分自身である、と述べて、「未来の自分」もあなた自身で自由自在に作っていくことができる、と説いています。
次に「Column」として、欧米ではアドラーはフロイト、ユングとともに「心理学の三大巨頭」の一人と称されていて、アドラー心理学の五大特徴を以下の通り、紹介しています。
1.自己決定性-自分を主人公にする
2.目的論-人間の行動には目的がある
3.全体論-人は心も体もたった一つ
4.認知論-誰もが自分だけの「メガネ」を通して物事を見ている
5.対人関係論-すべての行動には相手役がいる
本書の前半では、「自分らしく生きる3つのポイント」(=➀未来志向で新しい人生を切り開く生き方へシフトする、②自分が本当に目指す目標を知り、そこに向かって歩きていく方法を身につける、③新しい生き方から以前の生き方に戻らないようケアを怠らない)の中で、1番目の「未来志向の生き方」について解説しています。
そのために、まず誰もが持っている「色メガネ」(=➀決めつけ、②誇張、③見落とし、④過度の一般化、⑤誤った価値観)を外してみることを提唱しています。
そして、「未来の目的」を大事にして生きることで、もっと自分らしく、もっと幸せになっていけるとして、次のような「いいこと」(=メリット)を挙げています。
◆「創造可能」な未来を手に入れられる
◆ 自分が「主人公」になれる
◆ 確実に自分に「勇気を与える」ことができる
アドラーがすすめる「ポジティブな人生」とは、以下の4つの「究極目標」を持っていることを知り、そこに向かうことです。
1.優越: 自分の理想や目標に近づこうと努力していく
2.所属: 自分の居場所の確かさを求め、周囲と折り合いをつけたい
3.安楽: 保護され安全を守られ、ラクをしていたい
4.支配: 周囲の人たちを思い通りコントロールしたい
この本の中盤では、「自分らしく生きる3つのポイント」の2番目である自分の目指す目標として、「自分のオリジナリティ」の見つけ方について記されています。
そのポイントは、次の3つです。
◆ ニーズ: 変わる必要性があることに気づくこと
◆ スキル: 変わるための方法を身につけること
◆ 勇気:「未来の袂」のために「今の不快」を受け入れる活力を持つこと
そして、自分の「強み」を活かす「究極目標」の見つけ方として、以下の5つのポイントを挙げています。
◆ ある日あるところでの特定の出来事(1回だけ起きたこと)
◆ はじめと終わりがあるストーリーであること
◆ ありありと視覚的に思い出せること
◆ 感情をともなっていること
◆ できれば10歳ぐらいまでの思い出
続いて、「自分起こし」のトレーニングにある「ライフスタイル」のタイプを知ることです。アドラー心理学でいう「ライフスタイル」とは、「自分自身についての信念」(=自己概念)、「自分の周りの世界に対する信念」(=世界像)、「自分がどうありたいかの理想」(=自己理想)を含めた広い意味です。
ライフスタイルのタイプは以下の6つです。
1.欲張り対応(ゲッター)
2.赤ん坊タイプ(ベイビー)
3.人間機関車タイプ(ドライバー)
4.自己抑制タイプ(コントローラー)
5.興奮探しタイプ(エキサイトメントシーカー)
6.安楽タイプ(アームチェア)
以上の「究極目標」と「ライフスタイルのタイプ」を知り、自分の目指す目標や「オリジナリティ」を身につけることが大切なのです。
本書の最後では、「自分らしく生きる3つのポイント」の3番目である「後戻りしないケア」として、「クリエイティブ・セルフ」のすすめが記されています。ポイントは以下の通りです。
◆ 自分自身に「期待」しているときが一番楽しい
◆ 人は「楽しそうな人」に引き寄せられる
◆「軌道修正」しやすい環境をつくっておく
◆「こうなりたい」という未来の自分を徹底的にイメージし、それにふさわしい行動をする
あなたも本書を読んで、自分の魅力に気づいて、「ワクワク感」を続け、目指す「未来の自分」を手に入れてみませんか。
2020年12月11日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール」の【第180回】自信が生まれる「アドラー心理学」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2425日目】