『アドラー流子育て 50の習慣』
「なんで毎日、イライラ怒っちゃうんだろう。」「あのとき、あんな言い方をしなければよかった。」― 子育てでは、子どもを思い通りに動かそうとするほど、親も子も苦しくなってしまうことがあります。大切なのは「できていないこと」を叱るのではなく、「できていること」に目を向け、子ども自身が成長する力を信じること。アドラー心理学をベースに、親子がともに勇気づけられる50の習慣を紹介した一冊です。
本日紹介するのは、1970年東京都千代田区生まれ、公認心理師・保育士・シニア・アドラーカウンセラーなどの資格を持ち、2008年から13年間で約8,000組以上の親子に関わり、2015年より有限会社ヒューマン・ギルド提携講師として、アドラー心理学に基づく講座・講演・個別カウンセリングを全国で行っている、SOH(Seed of Happiness)主宰の三宅美絵子(みやけ・みえこ)さんが書き、1947年栃木県生まれ、早稲田大学卒業後、外資系企業の管理職などを経て1985年に有限会社ヒューマン・ギルドを設立し、43年にわたりアドラー心理学に基づく研修・セミナー・講演を行い、24万人以上を指導してきたアドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲(いわい・としのり)さんが監修した、こちらの書籍です。
三宅美絵子著・岩井俊憲 監修『アドラー流子育て 50の習慣』(明日香出版社)
本書は、アドラー心理学の「勇気づけ」を子育てに取り入れ、子どもを親の思い通りに変えようとするのではなく、子どもが本来持っている「自分で成長する力」を信じて伸ばしていくための50の習慣を紹介しています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.自分にOKを出せる 自己受容編
2.周りを仲間だと思える 他者信頼力編
3.役に立っていると感じる 自己有用感編
4.体験を成長につなげる 自己解決編
5.ヨコの関係を築く 共感力編
6.「個」として認める リスペクト編
本書の前半では、子どもが「自分はこれでいい」と思える自己受容と、周囲の人を仲間として信頼する力を育てる方法が紹介されています。主なポイントは以下の通りです。
◆「できていないこと」ではなく「できていること」に目を向け、子どもの小さな成長や努力を認めて勇気づける
◆ 宿題をしない子を「やる気がない」と決めつけず、「何か困っていることがあるのでは」と子どもの立場から考えてみる
◆ 親自身も完璧を目指さず、イライラしたり失敗したりする自分を受け入れることで、子どもにも寛容になれる
◆ 子どもを評価・管理する対象として見るのではなく、「この子には自分で成長していく力がある」と信頼して関わる
◆ 家族を安心して失敗できる「仲間」と感じられる場所にすることで、子どもが新しいことへ挑戦する勇気を育てる
この本の中盤では、「自分は役に立っている」と感じる自己有用感を高め、失敗や問題を自分で解決する力を身につける方法が解説されています。主なポイントは次の通り。
◆ 子どもに役割を与え、家族の一員として貢献できた実感を持たせることが自己有用感につながる
◆「すごいね」「えらいね」という評価だけでなく、「助かったよ」「ありがとう」と感謝を伝えることで貢献感を育てる
◆ 親が先回りして問題を解決せず、子ども自身が考え、選び、行動する機会を大切にする
◆「なんでできないの!」と責めるのではなく、「どうしたらできそうかな?」と問いかけ、解決策を一緒に考える
◆ 失敗を悪いものと捉えず、経験から学び、次の行動につなげるための大切な成長機会として受け止める
本書の後半では、親子の「ヨコの関係」を築く共感力と、一人の人間として子どもを尊重するリスペクトについて紹介されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 親が上から命令し、子どもが従う「タテの関係」ではなく、人として対等な「ヨコの関係」を築いていく
◆ 子どもの行動だけを見て叱るのではなく、その行動の奥にある気持ちや目的に目を向けて共感する
◆ 親の価値観を一方的に押しつけず、子どもの考えや気持ちを最後まで聞く姿勢を持つ
◆ 子どもを親の所有物としてではなく、独立した人格を持つ一人の「個」として尊重する
◆ 子どもを変えようとするより、親自身の言葉や関わり方を変えることで、親子の関係そのものを育てていく
本書の根底に流れているのは、アドラー心理学における「勇気づけ」という考え方です。
子どもが宿題をしない、片づけをしない、朝の支度が遅い― そんなとき、親はつい「なんでできないの」「何度言ったらわかるの」と叱ってしまいます。
しかし、本書では、片づけられない子どもを「だらしない子」と決めつけるのではなく、「今は練習中なんだ」と捉え直すことを勧めています。
この視点の転換は、子育てだけでなく、あらゆる人間関係に通じるものだと感じます。
人は欠点やできていないことを指摘され続けるよりも、自分の可能性を信じてもらい、勇気づけられたときにこそ、自ら変わろうとする力が生まれるからです。
とくに印象的なのは、「子どもを変えるためではなく、親子の関係を育てる」という考え方です。
アドラー心理学では、相手を支配したり操作したりするのではなく、「ヨコの関係」を築くことを重視します。
これは、子育てに限らず、夫婦関係、職場の上司と部下、定年後の家族関係、さらには孫との付き合い方にも応用できる考え方でしょう。
子どもが幼い時期だけでなく、成人した後も、お互いを一人の人間として尊重し、信頼し、必要なときには勇気づけ合える関係を築くことが、家族の幸せにつながるのではないでしょうか。
子育て中の親御さんはもちろん、孫との接し方を考えたいシニア世代、教育に携わる方、そしてよりよい人間関係を築きたいすべての方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【4165日目】








