「定年前後、お金で後悔しないためには、“知らなかった” をなくすことが大切です。」年金を何歳から受け取るのか、働きながら年金を受給するとどうなるのか、退職金はどう受け取ればいいのか。さらに雇用保険の給付各種手当、控除、医療・介護費、税金まで、定年前後には人生の中でも特に重要な「お金の手続き」が集中します。

本日紹介するのは、定年前後に知っておきたい年金、退職金、給付・手当、税金、医療・介護、働き方に関する制度を整理し、「いつ、何を、どう手続きすればいいのか」をわかりやすく解説した、こちらのムック本です。

『定年前後の賢いお金の手続きガイド』(コスミック出版)

 

人生100年時代になり、60歳や65歳で会社を定年退職しても、その後の人生は20年、30年、場合によっては40年近く続きます。その長い人生後半の経済基盤になるのが、公的年金です。

本書は以下の5部構成から成っています。

1.結局、年金は何歳からもらうのが得?

2.働くと年金は減る?在職老齢年金の新ルール

3.退職金と年金の賢い受け取り方

4.知らないと損!隠れ給付・手当・控除を総取りする

5.定年後の医療・介護・税金のリアルコスト

 

本書の前半では、定年後のお金の柱となる公的年金の受給タイミングと、働きながら年金を受け取る場合の考え方について、以下のポイントを説明しています。

◆ 公的年金は原則として65歳から受給する仕組みになっているが、60歳からの繰り上げ受給や66歳以降への繰り下げ受給という選択肢があり、自分の働き方や資産状況、生活設計を踏まえて判断する必要がある

◆「何歳から受け取れば一番得なのか」は寿命だけで単純に決められるものではなく、健康状態、就労収入、預貯金、家族構成、毎月の生活費などを含めて総合的に考えることが大切になる

◆ 繰り下げ受給によって将来受け取る年金額を増やす方法は長生きへの有力な備えになる一方、受給開始までの生活費をどう確保するかという資金計画とセットで考える必要がある

◆ 60代以降も会社員などとして働きながら厚生年金を受け取る場合には「在職老齢年金」の仕組みを理解し、給与などとの関係で年金の一部が支給停止になる可能性を確認しておく

◆ 人生100年時代には「定年=完全リタイア」と考えず、年金と仕事収入を組み合わせながら長く働くことが、金融資産の取り崩しを抑え、老後の経済的安定につながる

 

この本の中盤では、退職金と年金の受け取り方、そして見逃しやすい給付・手当・控除について解説しています。主なポイントは次の通り。

◆ 退職金は定年後の生活を支える大切な資産であり、受け取った直後に大きな買い物や投資へ回すのではなく、まず今後の収入と支出を把握して長期的な使い道を決めることが重要

◆ 退職金や企業年金などの受け取り方によって税金の扱いが異なるため、「一時金」と「年金」のどちらが自分に有利なのかを、税負担も含めて比較する

◆ 定年前後には雇用保険をはじめ、一定の条件を満たせば利用できる給付や手当、税負担を軽減できる控除などがあり、対象になる制度を事前に調べておくことが大切

◆ 公的制度は、自分から申請しなければ受け取れないものであるため、「制度を知ること」そのものがお金を守る力になる

◆ 退職する直前になって慌てて調べるのではなく、50代のうちから会社の退職金制度、企業年金、公的年金の見込み額、雇用保険などを確認して、定年前後の手続きを一覧化する

 

本書の後半では、定年後に大きな負担となる可能性がある医療・介護・税金と、それらを含めた老後資金の考え方について説明・提言しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 定年後の家計を考える際には毎月の生活費だけなく、年齢とともに増える可能性がある医療費や介護費まで含めて長期的な資金計画をつくる

◆ 健康保険料や住民税なども、退職後には自分で負担を実感することになるため、退職直後の支出をあらかじめ把握しておくことが重要

◆ 医療や介護には公的保険制度や自己負担を抑える仕組みがあるため、「老後には莫大なお金が必要」と過度に恐れるのではなく、制度を正しく理解したうえで必要額を準備する

◆ 定年後のお金は「年金」「退職金」「預貯金」「資産運用」「仕事収入」を別々に考えるのではなく、一つのキャッシュフローとして管理することが大切

◆ 老後資金は、医療・介護への備えを確保しながら、健康な時期には旅行や趣味、学び、人との交流など人生を豊かにすることにも計画的にお金を使っていく

 

本書を読んで改めて感じるのは、定年前後のお金では「いくら持っているか」と同じくらい、「制度をどれだけ知っているか」が重要だということです。

とくに重要なのが、年金の受給開始年齢をどう決めるかでしょう。年金を早く受け取れば、早い時期から生活費に使うことができます。一方で、繰り下げれば毎月受け取る年金額を増やし、長生きした場合の収入基盤を厚くできます。

どちらが正解ということではありません。大切なのは、自分の健康状態、働き方、金融資産、毎月の生活費、家族の状況、そして「何歳までどんな生活をしたいのか」を考えたうえで選択することです。

さらに人生100年時代には、年金だけで生活するという発想から、「年金+仕事収入+資産活用」という考え方へ転換することが重要だと思います。

たとえば、定年後も無理のない範囲で仕事を続け、毎月一定の収入を得られれば、その分だけ金融資産の取り崩しを抑えることができます。

定年後のお金を考えることは、実は「何歳まで、どんな形で働くのか」というキャリア設計と切り離すことができません。

また、退職金の扱いにも注意が必要です。長年働いて得たまとまった退職金を手にすると、「せっかくだから運用して増やしたい」と考える人もいるでしょう。

しかし、定年後は現役時代と違い、大きな投資損失を給与収入で取り戻すことが難しくなります。

まず必要なのは、退職金を増やすことではなく、「このお金を何年間、どのように使うのか」を設計することでしょう。

私は定年後のマネープランでは、「貯める・増やす」だけでなく、「稼ぐ・守る・使う・取り崩す」までを一体として考えることが大切だと思います。

さらに、健康寿命を延ばすことができれば、長く働き、旅行を楽しみ、人と会い、学び続けることができます。定年後のお金の問題は、金融だけの問題ではありません。

お金、仕事、健康、時間をどう組み合わせて人生後半を設計するかという「ライフデザイン」の問題なのです。

定年前後のお金で最も大切なのは、「知らなかったために損をする」ことをなくし、自分に合った制度の使い方を自分自身で選択すること。

定年を控えた50代・60代はもちろん、年金、退職金、在職老齢年金、医療・介護費などをまとめて整理し、人生後半のお金について早めに準備しておきたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。

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では、今日もハッピーな1日を!【4207日目】