書評ブログ

『自分らしく生きる! 40代からはじめるキャリアのつくり方』

「想定外の転機は、客観的に自分のキャリアや人生を見つめ直す良いチャンスなのです。」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、IT関連企業・トランスコスモスの役員から独立し、Natural Will代表で、キャリアコンサルタント石川邦子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

石川邦子『自分らしく生きる! 40代からはじめるキャリアのつくり方:「人生の転機」を乗り越えるために』(方丈社)

 

 

この本は、中年期は人生最大の「岐路」と指摘し、次のような方々に何かしらのヒントになることを伝えるために書かれました。

 

 

◆ 組織の中でどうもうまくいかない、閉塞感を感じている方

 

◆ 転機に遭遇して、どう乗り越えたら良いかヒントが欲しい方

 

◆ 中年期に差し掛かり、将来について考えてみたい方

 

◆ 思い切って独立してフリーでやっていきたいが、色々と不安もある方

 

◆ 自分では抗えない変化に、人生を変えられてしまったと嘆いている方

 

◆ 老いや病気など自分ではどうにもできない転機に遭遇してしまった方

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.中年期のキャリアで悩んでいる方へ

 

2.組織内キャリアで悩んでいる方へ

 

3.ライフキャリアで悩んでいる方へ

 

4.独立するか否かで悩んでいる方へ

 

5.不可抗力な転機で悩んでいる方へ

 

6.中年期からワクワク過ごすために

 

 

 

この本の冒頭で著者は、中年期は自分を取り巻く環境が大きく変わる時期で、人生最大の「岐路」であると指摘しています。

 

 

 

したがって、キャリア理論心理学の識者による、以下のような「中年期の位置づけ」を踏まえながら、時間をかけて自分と向き合い(ニュートラル・ゾーン)、キャリアの棚卸しを行うべきだ、としています。

 

 

◆ 心理学者・河合隼雄の「思秋期」

 

◆ 生涯発達の論者・レヴィンソンの成人期の4つの時期の発達で「秋」

 

◆ 心理学者・ユングの「個性化の時代」(40歳が「人生の正午」)

 

◆ 発達心理学者・エリクソンの「世代性 対 停滞」で、キャリア・プラトーに注意

 

 

 

また、広島大学教授で、臨床心理士岡本祐子先生は、「アイデンティティのラセン式発達モデル」を提唱し、「自分らしさ」を深化させる4つの方法を次の通り示しています。

 

 

1.職業アイデンティティを成熟させる

 

2.社会とつながる

 

3.自分らしさを見極める

 

4.今までの体験とやり残した課題を統合させる

 

 

 

続いて、スタンフォード大学クランボルツ教授が提唱した「Planned Happenstance Theory = 計画された偶発性理論」を紹介し、「個人のキャリアは、予期しない偶然の出来事によってその8割が形成される」としています。

 

 

 

そして積極的に行動して偶然を必然化する行動・思考パターンとして、次の5つを示しています。

 

 

◆ 好奇心: たえず新しい学習機会を模索すること

 

◆ 持続性: 持続しなければ、成長できる機会は出現しない

 

◆ 柔軟性: 柔軟でなければ、成長できる機会を受け入れられない

 

◆ 楽観性: 楽観的に前へ進む、新しい機会を実現可能と捉える

 

◆ リスク・テーキング: 不確実でリスクがあっても、行動を起こすこと

 

 

 

さらにこの本では、内的キャリア(働くことに対する考え方、生き方、価値観など)外的キャリア(客観的なキャリア)との違いや、キャリアが人間と環境との相互作用によって決定すること等を説明しています。

 

 

 

次に、ジェラットの「積極的不確実性理論」として、将来のことなどわからなくて当たり前で、準備期間はドリフト(漂流する)も必要、という金井壽宏教授の主張も紹介しています。

 

 

 

こうした不確実な時代に、自由に積極的にキャリアを築いていく具体的な方策は以下の通りです。

 

 

◆ 先のことはわからない前提で意思決定する

 

◆ やりたいことや目標は仮説として持ち、目標に縛られない

 

◆ 固定観念に捉われない

 

◆ 願望を込めかつ現実的に信じる

 

◆ 常に学び直す気持ちを持つ

 

◆ 将来を予測し準備する

 

 

 

そのほか、メンタリング(メンターである先輩とメンティーである後輩が1対1で継続的・定期的に交流する人材育成の仕組み)や、不可抗力(自然災害、病気、事故など)な転機について、著者の経験も踏まえて、解説されていて、参考になります。

 

 

この本は「中年期の危機」にあたって、プロのキャリアコンサルタントの視点で、どのように乗り越えていけばよいか、さまざまなキャリア開発の理論も踏まえて、分かりやすく説明していて、キャリアについて悩んでいる方にはぜひ、薦めたい一冊です。

 

 

あなたも本書を読んで、40代からはじめるキャリアのつくり方を学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!