書評ブログ

ブラックウルフ・ジョーンズほか『アメリカンインディアン聖なる言葉』(だいわ文庫)

ブラックウルフ・ジョーンズ氏は、オジブウェー族の血をひき、断酒ののち心理学の学士号を取得した。アメリカン・インディアンの癒しの技術を取り入れたサイコセラピーを全米に説いている。

 

本書には、悩みや苦しみに対処する時の考え方が書いてある。それはネイティブ・アメリカンの生きる知恵だ。人は誰でも、生きていく上で、不安、苦しさ、寂しさなどを抱え込んでいる。

 

自分のしていることを見つめ、そして自然が語ることに耳を傾けよう。そう、本書は説いている。人間の悩みの答えは自然が出してくれる。森羅万象が教えてくれる。だから、自然に耳を傾け、その鼓動を聴こう。

 

それでは、アメリカン・インディアンの聖なる言葉を紹介しよう。

 

1.捨てる時期が来たものは、迷わず捨てなさい。
2.柿は熟して木から落ちていく
3.大地と太陽があって自分がある。自然界があって自分があることを意識せよ。
4.自分が今まで生きてきた生き様、それをそっくりと抱え込んでしまえ。
5.心を見るにはやわらかい目が要る。

 
6.もっと感情を出したほうがいい。そうすれば理性は戻る。
7.備えは余裕、余裕を持っていれば癒される。あとは努力次第。
8.努力を続けると、信じることができるようになる。行動はその人の品格につながる。
9.苦労した後には、静かに幸せが来る。夜明けは静かに見つめるもの。

 

本書の巻末には用語集が付いている。これもアメリカン・インディアンの生きる知恵を知るうえで大きなヒントになるだろう。

 

人生に悩みや苦しみ、寂しさを感じている全ての人々に、本書を心から推薦したい。