書評ブログ

本田直之・ちきりん ほか 『強く生きるノート』 (講談社)

本書は、くじけそうになったとき、自分に自信がなくなったとき、もっと賢く決断したいときに役立つノートだ。

本書では、あなたが希望したように、あなたのこれからの道を築いていく方法が紹介されている。例えば、次のような疑問に答えてくれる。

1.生き方や働き方が多様化する社会で、自分はどんな選択をしたらいいのか
2.情報を知恵に変える思考方法とは何か
3.どうしたら不安から自由になれるのか
4.もっと、相手と通じ合えるコミュニケーションをとるにはどうしたらいいのか
5.世界中から必要とされる人材になるには、どんなスキルを身につければいいのか

自分を支えてくれる言葉をたくさん持っている人は強い人だ。この本には、岐路に立たされた今に一番必要な 「頭の使い方」 が結集されている。

ひとつでも気になる方法があれば、すぐに実践していただきたい。実践した人から強く、しなやかに変わっていくだろう。本書の構成は以下の7名(4テーマ)に分かれている。

1.本田直之 (レバレッジコンサルティング代表) : 私たちの 「希望」 の作り方
2.ちきりん (社会派ブロガー) : 同上
3.小池龍之介 (月読寺・正現寺の住職) : 「心」 とどう付き合うか
4.平田オリザ (劇作家) : 同上
5.竹中平蔵 (慶應義塾大学教授) : もっと視野を広げる方法
6.原田泳幸 (日本マクドナルド代表(当時)、現ベネッセコーポレーション代表) : これから 「会社」「仕事」 はどうなるか
7. 村上憲郎 (元グーグル日本法人名誉会長) : 同上

それぞれ私がビジネスや自己啓発の 「手本」 としてきた人たちが並んでいる。それぞれの著書も何冊も読んでいるので、書かれた言葉の数々は心に染み入るように理解できる。

とくに印象に残り、私の行動を支えてくれる珠玉の言葉を以下に紹介していきたい。

1.時間・場所・お金など、さまざまな制約という 「常識」 よりも、自分の判断基準を大切にする (本田直之)
2.できないという 「言い訳癖」 をやめる (同上)
3.制約されないための考え方、スキル、実践を学ぶ (同上)
4.自分のアタマで考えるとは、情報を分析・整理することによって、自分の 「判断基準」 を明確にすること (ちきりん)
5.自分のアタマで考える2つの方法は、①「なぜ?(Why)」  と 「 だから何なの (So What)?」 (同上)

6.まず感情を隠していることに気づき、本当の感情を観察する (小池龍之介)
7.執着しない、あるがままを受け入れる (同上)
8.目の前の人・状況に集中する (同上)
9.まず、相手の気持ちを受け止める (平田オリザ)
10.説明しあう力 (対話力) を身につける (同上)

11.問題解決の教科書として、経済古典によって 「本質を見る目」 を養うことができる (竹中平蔵)
12.経済古典からは、社会の秩序を維持する方策を学ぶことができる (同上)
13.仕事で結果を出し続けるには、①基本に立ち返り、②独自性 (=らしさ) に注目する (原田泳幸)
14.仕事で結果を出し続けるには、データより、現場&信念に注目し、チャンスは不可能にあると知る
15.世界に通用する人になるため ①英語を修得、②『マンキュー経済学』を読み、③宗教と歴史を学ぶ (村上憲郎)

本書は、経営者、ブロガー、僧侶、劇作家、大学教授など、様々なジャンルの 「人生の達人」 による、あたらしい 「働き方・生き方」 の講義だ。考え方じだいで世界は変わり、人生も変わる。

本書は、自分が主役の人生を送りたい人に、大きな心の支えになり、多くのヒントを与えてくれるだろう。すべての人々に本書を心から推薦したい。