書評ブログ

斎藤茂太『いい言葉はいい人生を作る』(成美文庫)

斉藤茂太氏は、1916年生まれの医学博士で精神科医。日本精神病院協会名誉会長、日本ペンクラブ理事、旅行作家協会会長などの要職を歴任し、2006年11月に逝去した。

 

人生を上機嫌に生きる名手で、人間味あふれる話し方や人柄は多くの人々を魅了した。歌人・斎藤茂吉の長男、作家・北杜夫の実兄だ。

 

本書は、著者が米寿を過ぎてから書いた、人生を幸せに生きるための本で、「言葉の力」 を使って幸せになる本だ。心に 「プラス」 を植える本、と著者も呼んでいる。

 

本書では、様々な 「いい言葉」 が紹介されているが、以下の分類で整理されている。

 

1.楽天発想の言葉
2.人間関係の言葉
3.エラー逆転の言葉
4.成功暗示の言葉
4.お金と運の言葉
6.心身健康の言葉

 

プラス発想の言葉、笑いのすすめ、ほめること、失敗や悪い知らせへの対処、休みの効用、精神力の本質、健康の大切さ、などなど、珠玉の言葉が並ぶ。

 

多くの人々を魅了してきた斎藤氏らしく、本書を読むとどんどん前向きな考え方に引き込まれる。歌人の父親や流行作家の弟を持つ血筋もあるのだろう。

 

斎藤氏の言葉には力がある。人生をより豊かに、幸せに、切り拓いていきたい人にぜひ薦めたい名著だ。