書評ブログ

山口俊治『山口英文法講義の実況中継(下)』(語学春秋社)

昨日に続き、山口氏の英文法講義を実況中継風の形で書かれた英文法書の下巻を紹介したい。

 

下巻の本書も、上巻と同様に、講義で話しているかのように話し言葉で書かれ、とても読みやすい。大切なフレーズや要点は赤字で表記されていてポイントが把握しやすいのも上巻と同じだ。

 

山口講師の信条は、「受験生からの質問で答えられないものは一切ない」 という、揺るぎない指導者としての自信だ。その言葉の通り、予備校での指導は定評があったという。

 

さて、下巻となる本書も、30回分の講義がまとめられたもので、構成は以下の通りだ。

 

1.分詞構文の講義(1~2)
2.動名詞の講義
3.名詞の講義(1~2)
4.代名詞の講義
5.冠詞の講義

 

6.形容詞の講義(1~2)
7.副詞の講義
8.口語英語の講義(1~2)
9.関係詞の講義(1~4)
10.比較の講義(1~5)

 

11.否定・比較の講義(1~3)
12.否定の講義
13.接続詞の講義(1~2)
14.前置詞の講義(1~3)

 

巻末には索引が付いていて、アルファベット順で参照しやすいのも有難い。文法の学習は、英語の習得においても無味乾燥になりやすい、辛い作業になりがちだ。

 

そうした中で本書は、読み進めていくのに苦労がなく、むしろ説明に引き込まれていくような魅力がある。

 

英語が苦手な人、とくに文法にはアレルギーがあるような人ほど本書がお薦めだ。受験生だけのテキストにしておくのが惜しい隠れた名著だ。英語を習得したい全ての学習者に本書の一読を薦めたい。