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定年前起業に必須!『仕組みで「売る」技術』

カリスマ通販コンサルタント白川博司さんが、5年前に初めて公開した、ネット販売時代に対応した「ゼロから儲かる仕組み」が習得できる隠れた良書があります。

 

本日紹介するのは、通販部門ゼロからのスタートで、1年後に1億円売り上げる新・通販システムを紹介した、こちらの本です。

 

白川博司『仕組みで「売る」技術』(ビジネス社)

 

この本は、年収1億円を超えるコンサルタントの白川さんがコンサルティングの実践でクライアントに提案している通販のノウハウが凝縮して整理されたものです。

 

5年前に書かれた書ですが、ネット時代に対応した内容で、今もその手法は色褪せていないと感じました。白川さんは、「日本人ほど通販好きな国民はいない」と指摘します。

 

国土が広く買い物が不便な通販先進国のアメリカでさえ、通販の比率は5%程度なのに対し、日本の通販売上は全小売140兆円の約10%、14億円(2008年度実績)と著者は推定しています。

 

時代を経ても、日本の消費者の意識は変わらず、日本式通販では以下の3点が重要ファクターだ、ということです。

 

1.お客様が求めるコミュニケーションの変化に対応せよ
2.求められる情報の質と量の変化に対応せよ
3.業者基準でなく、顧客が求めるスピードの変化に対応せよ

 

本書は以下の6部から構成されています。

 

 

1.通販で既存ビジネスを見直せ
2.ショッピングの主人公はお客様だ!
3.通販成功のゴールデンルール
4.6ヵ月で結果が出る!通販ビジネス成功のポイント
5.異業種からの新規参入成功企業に学ぶ勝ちパターン
6.近未来通販の行方

 

 

まず本書の初めで著者は、通販ビジネスの魅力として以下の10点を挙げています。

 

 

1.商圏は無限大
2.営業時間に制限がない
3.店舗不要
4.社長一人でできる
5.初期投資がローコストで済む

 

6.増客手法を自由に選択できる
7.業界未経験でもできる
8.定価販売(一物一価)が原則
9.在庫なしでできる(受発注が原則)
10.事業展開の自由度が高い

 

 

次に、本書の肝となる「通販という新しい売り方で成功するためのゴールデンルール」8つ、以下の通り紹介しています。

 

 

1.社内資産の棚卸をして通販専用商品を作る
2.売れる商品の7つの条件 (*8番目のルールの後に記載)を満たす
3.徹底的にお客様の目線に合わせた「情報開示」
4.企業ブランドの構築

 

5.売り出す商品に社会的・文化的ストーリーを分かりやすく付ける
6.10%の経常利益を出せる仕組みを作る
7.まずは通販専門会社に売り込んでみる
8.成功事例を徹底的にモニタリングして真似る

 

 

これら8つの「ゴールデンルール」は、既存会社が新たに通販部門を立ち上げることを念頭に記されたものですが、定年前起業や定年起業する個人事業やスモールビジネスを立ち上げる場合にも、そのまま使えるルールです。

 

また、上記の2番目ルールにある「売れる商品の7つの条件」とは、以下の7つです。

 

 

1.メイド・イン・ジャパンの商品である
2.リピート性・継続性のある商品である
3.年齢・性別を問わず売れる商品である
4.オンリーワンの物語を持った商品である
5.定価5000円~1万円の商品である
6.生産量(在庫)が売価ベースで年間500万~1000万円確保できる商品である
7.粗利が50%以上確保できる商品である

 

 

これらの条件をすべてを兼ね備えている商品は現実には殆どない、と白川さんは言います。ただ、この条件ができるだけ多く揃っていれば、それだけ有利になる、ということです。

 

 

本書の後半では、通販ビジネスのポイントであるCPO (Cost Per Order)という考え方が説明されています。要するに、新規顧客ひとりを獲得するためのコストのことです。

 

もう少し正確に言うと、「1人の新しいお客様から1件の注文を取るためにどれだけのコストをかけたのか」を見る指標です。通販でいう損益分岐点というこおでしょう。

 

 

本書の最後に、近未来の通販について展望が述べられています。「顧客中心主義」は変わらないので、それを貫く姿勢が何よりも大切だ、ということです。

 

そして時代が変化する中で、もう一つ。時代に波に乗り、「商品にメッセージをのせていこう」ということが提唱されています。定年前起業、あるいは定年起業を目指す方は、ネット販売やネットによるマーケティングは大きな柱になります。本書にはその成功のエッセンスが多く詰まっているので、一読をお薦めします。

 

では、今日もハッピーな1日を!