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『& Premium 2015年1月号 おいしいコーヒーのある生活』(マガジンハウス)

この雑誌『& Premium 』は、「上質」にこだわる大人の女性のための新クオリティライフ誌だ。今月発売となった2015年1月号の特集は「おいしいコーヒーのある生活」だ。

 

新しい、おいしいコーヒー入門として、時代によって大きく変化してきた我が国のコーヒー・ブームについて記している。現在は、何回目かのコーヒー・ブームとして、新たなトレンドが訪れている。その動きとして以下の特徴が紹介されている。

 

1.スペシャルティ・コーヒー
2.浅煎りと果実味
3.抽出法の多様化
4.バリスタの進化
5.コーヒーを女性のものに
6.ワインを追いかける

 

7.サードウェーブ?
8.次に来るショップ : ブルーボトルコーヒー
9.キーワードは焙煎?
10.もっと増える家飲み
11.おいしいコーヒー生活へ

 

近年、注目されているスペシャルティ・コーヒーとは、専門家による客観的な審査で特に優れた風味が認められ、かつ生産地域や生産者がはっきりしているコーヒーだ。

 

スペシャルティ・コーヒーの客観的な評価基準を作るにあたって、ワインのそれを参照してきたと言われており、「ボディ」 や 「アロマ」、「テロワール」 といったワイン用語も多く使われ、味や香りを評価する用語・表現も似通っている。

 

コーヒーはブドウと同じく、樹上で熟する果実で、栽培される土壌や天候の違い、収穫後の処理といった要素が、味にはっきりと影響する。単一農園産、といえば、ワインなら当たり前だが、コーヒーではシングル・オリジンと呼ばれ、新たな価値がPRされている。

 

「良いワインは良いブドウから」 というのがワインの常識だが、「良いコーヒーは良いコーヒー豆から」 ということで、コーヒーは確実にワインを追いかけている、と言えるだろう。

 

さらにコーヒーの後ろからは、コーヒーに産地も近い加工食材として、カカオ、つまりチョコレートのスペシャルティ化が追いかけるのでは、という声も出ている。

 

また、今後の我が国コーヒーのトレンドで当面の注目は、2015年2月に予定されている北米の人気チェーン 「ブルーボトルコーヒー」 の東京進出だ。東京に焙煎機を備えた店舗をオープンすると発表され、注目を集めている。

 

さらに、本誌では次の10名の女性が、COFFEE LOVER (コーヒーを愛する10人)として、写真入りで紹介されている。

 

1.小林紀子 (「ワタリ」オーナー)
2.平澤まりこ (ライター)
3.岡本典子 (「タイニーエヌ」主宰)
4.田中美和子 (スタイリスト)
5.森美穂子 (デザイナー)

 
6.口尾麻美 (料理研究家)
7.佐藤みち子 (布小物作家)
8.白井綾 (フォトグラファー)
9.滝口和代 (「ネストローブ」のプレス)
10.香菜子 (イラストレーター、モデル)

 

本誌の後半には、全国の主要都市にある GOOD COFFEE SHOP 50 も紹介され、コーヒーの最新トレンドを知るには最適の書だろう。コーヒーに関する器具やコーヒー関連書籍などの参考文献も掲載されている。

 

コーヒー好きの方はもちろん、ゆったりとした生活、人生を目指す全ての人に、ぜひ手に取ってもらいたい一冊だ。