50代・60代に向けた、まったく新しいシニア論で、「『アラ還』となったバブル世代・新人類世代が、日本を再び熱くする!」と述べている本があります。仕事も遊びも消費も人づきあいも楽しみながら、「人生の第二幕」を自分らしく生きる「キラキラシニア」が、日本社会の新しい主役になっていくのです。

本日紹介するのは、1977年生まれ、慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを務め、「マイルドヤンキー」「伊達マスク」「タイパ」などの名づけ親としても知られ、現在は芝浦工業大学デザイン工学部UXコース教授、マーケティングアナリストとして活躍する原田曜平(はらだ ようへい)さんが、1万人規模の定量データと「人生の第二幕」を楽しむトップランナーたちへの取材から、新しいシニアの生き方を提示した、こちらの書籍です。

原田曜平『「キラキラシニア」という生き方:バブル世代・新人類世代 定年前後のライフシフト』(知的生きかた文庫)

著者は『ヤンキー経済』『Z世代』『中年中心社会』など、時代ごとの世代特性を鋭く分析してきたマーケティングアナリストです。今回、原田さんが注目したのが、現在50代後半から60代となりつつある「バブル世代」「新人類世代」です。

彼らは、日本経済が最も勢いを持っていた時代に青春期、若手社会人時代を過ごしました。消費を楽しみ、海外旅行やブランド、音楽、ファッション、クルマなど、新しいライフスタイルを積極的に取り入れてきた世代です。

その人たちが定年を迎えたからといって、突然「縁側でお茶を飲む老人」になるはずがない、というのが本書の出発点です。

著者は、従来型のシニア像とは異なり、仕事も趣味も消費も人間関係も楽しみ続ける人たちを、「キラキラシニア」と名づけています。

本書は以下の5部構成から成っています。

1.一生、気分よく!「キラキラシニア」の正体

2.「キラキラシニア」の生き方、傾向と対策

3.赤裸々!「キラキラシニア」のお金と仕事

4.実録!「キラキラシニア」の働き方

5.定年5年前から!「キラキラシニア」になる準備

 

本書の前半では、「キラキラシニア」とはどのような人たちなのか、その特徴や価値観について、以下のポイントを説明しています。

◆ バブル世代・新人類世代は、従来の「地味で慎ましい高齢者」というイメージには収まらず、年齢を重ねても仕事、趣味、消費などを積極的に楽しもうとする

◆ 日本が経済的に大きく成長し、消費文化が花開いた時代に若者だったため、「欲しいものを買う」「旅行する」「おしゃれをする」といった消費行動を肯定的に捉える傾向が強い

◆ これからのシニア層は「高齢者」という一括りでは捉えられず、年齢よりも価値観、ライフスタイル、デジタル利用などによって細かく見ていく必要がある

◆ テレビや新聞など従来型メディアを利用しながら、スマートフォンやSNSも使うという、アナログとデジタルを横断する情報行動が新しいシニア層の特徴になる

◆ 大切なのは若さを無理に維持することではなく、年齢による固定観念から自由になり、「自分が気分よくいられる生き方」を選択することである

 

この本の中盤では、「キラキラシニア」のお金、仕事、働き方について解説しています。主なポイントは次の通り。

◆ 定年後に最も大きく変化するのは収入だけではなく、「会社」という所属先、肩書、役割、人間関係などを一度に失う可能性があることである

◆ 定年後も働き続ける場合、現役時代と同じ収入や肩書にこだわるのではなく、自分が納得できる条件を設定した「条件付きの小さな仕事」を持つことが有力な生存戦略になる

◆ 会社員時代に身につけた経験や専門性、人脈を棚卸しして、別の場所で小さく活用することで、収入だけでなく社会との接点や生きがいも得ることができる

◆ 定年後の仕事では、「いくら稼ぐか」だけを基準にするのではなく、自由な時間、健康、家族、趣味などとのバランスを考え、自分に合った働き方を設計することが重要になる

◆ 実際に人生の第二幕を楽しんでいる人たちには、過去の肩書や成功体験という「重たい鎧」を脱ぎ、新しい環境で学び直し、人とのつながりをつくり直しているという共通点がある

 

本書の後半では、定年後に「キラキラシニア」として生きるための準備について提言しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 定年を迎えてから「これから何をしよう」と考えるのでは遅く、少なくとも「定年5年前」から人生の第二幕に向けた「種まき」を始めることが大切になる

◆ 会社以外の人間関係、趣味、学び、地域活動、副業などを現役時代から少しずつ増やしておけば、定年によって会社との関係が薄くなっても生活全体が空洞化しにくい

◆ 定年後の仕事を考える際には、現役時代の会社の看板や役職を外して、「自分自身には何ができるのか」「誰にどんな価値を提供できるのか」を考える必要がある

◆ お金については、ただ老後資金を貯め込むだけではなく、自分が元気なうちに旅行、趣味、学び、人との交流など、人生を豊かにする体験へ適切に使う視点も欠かせない

◆ 人生後半を輝かせる最大のポイントは、これまでの常識や「シニアはこうあるべき」という固定観念を手放し、自分の価値観に基づいて仕事、お金、時間、人間関係を再設計することである

とくに重要なのは、定年後も仕事を完全にゼロにしないことではないでしょうか。もちろん、生活のために現役時代と同じようにフルタイムで働き続ける必要はありません。

年金をベースにしながら、週2日、週3日だけ働く。自分の得意分野で小さな仕事をする。副業やひとり起業によって月数万円、10万円程度を稼ぐ。こうした「条件付きの小さな仕事」は、収入以上の価値をもたらします。

そして何より、自分の経験や能力がまだ社会の役に立つという自己効力感につながります。こうした活動的なシニアが増えれば、60代、70代が日本経済における巨大な消費市場になる可能性があります。

今の60代は「老後をどう過ごすか」を考える最初の世代ではなく、むしろ「人生100年時代の新しい生き方をつくるフロントランナー」なのではないでしょうか。

「定年=引退」ではなく、「定年=人生第二幕のスタート」。そんなライフシフトを実現して、何歳になっても仕事や趣味を楽しみ、人とつながり、新しいことに挑戦する「キラキラシニア」を目指したい50代、60代の方に、ぜひ読んでほしい一冊です。

YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ

では、今日もハッピーな1日を!【4201日目】