『葬式坊主なむなむ日記―檀家壊滅! 還暦すぎて派遣で葬儀に出かけます』
「葬儀は誰のために行うのか。寺は何のために存在するのか。そして、僧侶とは何者なのか。」― 本書は、現役の住職でありながら「派遣僧侶」として全国の葬儀に赴く著者が、仏教界の知られざる実情と現代日本の葬送文化の現実を赤裸々に描いた衝撃のノンフィクションです。
本日紹介するのは、1960年代に東北地方某県生まれ。大学卒業後、地元企業でサラリーマンとして勤務し、30代半ばで得度。紆余曲折を経て跡継ぎのいない地元寺院の住職となるものの、檀家の激減により東京で派遣僧侶として活動するようになった住職の松谷真純さんが書いた、こちらの書籍です。
松谷真純『葬式坊主なむなむ日記―檀家壊滅! 還暦すぎて派遣で葬儀に出かけます』(三五館シンシャ)
本書は、檀家制度の崩壊、僧侶派遣サービス、葬儀の簡略化など、日本の宗教と葬送文化が大きく変化する中で、現場に立つ一人の僧侶が見聞きし、体験した出来事をユーモアと哀愁を交えて綴った一冊です。
この本の冒頭で著者は、自らを「派遣僧侶」と紹介します。
依頼会社から仕事を受け、現場へ向かい、読経を行い、布施を受け取り、その一部を紹介手数料として派遣会社へ支払う―。多くの人が想像している住職像とは大きく異なる現実から、本書は始まります。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.本日も派遣で葬儀にまいります
2.僧侶になる方法
3.派遣僧侶、始めました
4.業界の有象無象
本書の前半では、派遣僧侶という仕事の実態が紹介されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 葬儀会社や派遣会社を通じて働く僧侶の日常
◆「最安値プラン」など価格競争が進む現代の葬儀事情
◆ 戒名、お車代、布施を巡る現場ならではの実情
◆ ニセ坊主や副業を持つ僧侶など業界の裏側
◆ 軽貨物ドライバーとの兼業など厳しい生活事情
この本の中盤では、著者自身が僧侶となるまでの歩みが語られます。主なポイントは次の通り。
◆ 得度や修行道場での日常生活
◆ 修行中に起きた出来事や仲間との交流
◆ 住職になるまでの紆余曲折
◆ 地方寺院の後継問題と檀家減少の現実
◆ 派遣僧侶という新しい働き方を選択した経緯
本書の後半では、仏教界全体が抱える課題に踏み込んでいます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 檀家制度の崩壊と寺院経営の厳しさ
◆ 僧侶派遣会社との関係や営業競争
◆ 合葬墓や永代供養など新しい供養の形
◆「なぜ葬式をしなければならないのか」という根源的な問い
◆ 僧侶として最後まで伝えたかった法話と人生観
本書の魅力は、業界の暴露話だけに終始していない点です。
確かに、僧侶派遣会社や布施、戒名、檀家制度など、一般には知られていない世界が数多く紹介されています。しかし読み進めるうちに見えてくるのは、急速に変化する日本社会の中で、「宗教は何のためにあるのか」「人はどのように死者を送り、自らの死と向き合うのか」という普遍的なテーマです。
少子高齢化や無縁社会が進み、寺院経営も大きな転換期を迎えています。その最前線で葛藤する一人の住職の姿を通して、日本社会の縮図を見るような読書体験が得られる一冊でした。
宗教や仏教に関心のある方はもちろん、終活や高齢社会、地域社会の変化、日本文化に興味のある方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、読書術、人生後半戦の生き方、資産形成、健康、AI活用などについて発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ
では、今日もハッピーな1日を!【4146日目】








