「分散投資しているのに、なぜ増えないのか?」と問いかけている本があります。金融庁が「日本の銀行39行で投資信託を購入した顧客の半分が損失を抱えている」と発表した――この事実に衝撃を受けた方も多いでしょう。

本日紹介するのは、1953年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒、日本興業銀行を経て、スタンフォード大学MBA取得、J・P・モルガン、メリルリンチ、リーマン・ブラザーズでマネージング・ディレクターを歴任し、現在は経営コンサルタント会社を率いる岩崎日出俊さんが書いた、こちらの書籍です。

岩崎日出俊『人生100年時代の正しい資産づくり』(祥伝社新書)

この本は、「損をしているのは、投資の方法が根本的に間違っているからだ」と明言し、人生100年時代における “正しい投資の軸” を、実例を交えて解説する実践書

本書は、以下の3部構成から成っています。

1.ホライズンを広げてみよう~井の中の蛙になっていませんか

2.時間を味方にする~60歳以降であっても遅くない。時間分散法の極意

3.リスクとコストを、コントロールしよう

 

本書の前半では、「視野の狭さ」が最大のリスクであると指摘します。とくに印象的なのは、「分散投資は万能ではない」という問題提起。何に、どのように分散するかが本質だと説きます。主なポイントは以下の通りです。

◆ 日本市場だけに偏る危険、米国の株式市場で運用しよう

◆ 働いている間にコツコツと毎月投資をする

◆ マーケットは結果がすべて

◆ 世界経済のダイナミズムを理解する

◆ 日本の常識は世界の非常識?

 

この本の中盤では、「時間」という最大の武器に焦点を当てます。人生100年時代では、60歳は終点ではなく通過点。時間を味方にする発想が重要だと強調します。主なポイントは次の通り。

◆ 人それぞれのシニア世代

◆ 60歳からでも遅くない「時間を味方にした投資」

◆ 手数料が低く、非課税の特典が受けられるドルコスト平均法でのNISA投資

◆ 少しずつ長期にわたって投資することは、学ぶことに通じる

◆ 長期投資と短期売買の違い

 

本書の後半では、リスクとコストのコントロールが語られます。「資産運用の巧拙は想像を絶する差を生む」ということが、本書の核心でしょう。主なポイントは以下の通りです。

◆ 手数料が資産形成を蝕む

◆ リスクは “取る” ものではなく “管理する” もの

◆ ダウンサイド・リスクを把握する

◆ アセット・アロケーションとリバランス

◆ 世界各国の株式時価総額と同じ比率のポートフォリオを持つ

 

私自身、これまで多くの資産形成本を紹介してきましたが、本書は “金融のプロの視点” から、個人投資家の思い込みを正面から問い直します。

銀行は本当に味方なのか。日本株だけで十分なのか。分散投資はどこまで有効なのか。耳障りの良い話ではありませんが、老後に経済不安を抱えたくないなら、避けて通れないテーマです。

人生後半戦を安心して歩むための “骨太の投資論”。50代・60代のビジネスパーソンに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

資産形成や人生100年時代の戦略については、YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも発信しています。ぜひチャンネル登録もお願いします。

では、今日もハッピーな1日を!【4015日目】