「昨日と違う今日」は誰にでも必ずやってくる――
突然の逆境に倒れた一人の経営者が、それでも前へ進むために絞り出した “31のメッセージ” を語りかけてくる本があります。
本日紹介するのは、1948年三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、日本生命保険で国際業務を担い、ロンドン現地法人社長を経て独立。2006年にネットライフ企画(のちのライフネット生命)を設立し、生命保険業界で「日本初のネット生保」を実現。2018年には立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任し、教育界にも新風を吹き込んだ出口治明さんが書いた、こちらの書籍です。
出口治明『誰も行ったことのない場所へ行こう。そして誰もやらなかったことをやろう。』(祥伝社)
この本は、脳出血により右半身麻痺・言語障害という過酷な現実に直面した著者が、それでも「人生はなんとでもなる」と断言し、人が逆境をどう生き切るかを語る “知の羅針盤” です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.人生の本質
2.仕事の本質
3.お金の本質
4.人間関係の本質
5.学びと思考の本質
本書の前半では、人生における不安・偶然・失敗との向き合い方が語られています。
出口さんの言葉は、シンプルでありながら骨太で、読者の背中を押す力を持っています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 人生は「偶然と運」で決まる部分が大きい
◆ 不安は“幸福度を上げるチャンス”に変えられる
◆ 迷ったら行く。次のチャンスは来ないかもしれない
◆ 失敗は人生の構造であり、恥じる必要はない
◆ “トレードオフ”を理解すると生きるのが楽になる
この本の中盤では、仕事・お金という私たちが抱きやすい悩みに対し、実践的でありながら独自の視点が示されます。主なポイントは次の通りです。
◆ 仕事は大事だが、人生のすべてではない
◆ 生産性を上げるには「仕組み化と比較」が必須
◆ お金の不安は“構造を知れば”軽くなる
◆ 役に立つ人脈など存在しない。信頼だけが残る
◆ 批判や誹謗中傷は「受け流す技術」を身につければ恐れなくなる
本書の後半では、人間関係・学び・思考法といった、人生を支える “土台” が語られています。とくに、若者への深いまなざしが印象的です。主なポイントは以下の通りです。
◆ 人間関係を壊すのは “コミュニケーションの失敗” ひとつ
◆ 学びは「比較・構造化・歴史」によって深まる
◆ 思い通りにならないことこそ成長の入口
◆ チャンスは準備している人にしか見えない
◆ 逆境は人生の“本番”を教えてくれる舞台
病という予期せぬ逆境の中で、著者は「人生は何とでもなる」と断言しています。
それは根拠のない楽観ではなく、修羅場をくぐってきた人だからこその、深い洞察から生まれた言葉です。
未来が不透明な今、自分の道をどう切り開けばよいのか。本書は、その問いに静かに、しかし力強く答えてくれる良書で、お薦めです。
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では、今日もハッピーな1日を!【3935日目】