「介護崩壊とは、身体的なケアだけを意味するのではなく、人間がその人らしく生きることを支える行為だ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1973年生まれ、大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者となり、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞、現在はフリーランスのノンフィクションライターとして活躍する甚野博則さんが著した、こちらの書籍です。
甚野博則『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』(宝島新書)
この本は、介護の世界に潜む数々の問題点をクローズアップし、介護の危機を身近に体験した多くの人の声に耳を傾けた衝撃的なルポルタージュです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.高齢者が高齢者を介護する時代
2.人手不足の絶望的な現実
3.閉ざされた介護
4.介護とカネ
5.死のタブーと壊れる家族
この本の冒頭で著者は、「介護保険料の引き上げ、医療費の窓口負担割合の拡大、高年齢者雇用の制度改正など、今後の高齢化社会を見据えて、政府が国民や企業にさらなる負担を強いていくことは確実だ。」と述べています。
本書の前半では、「高齢者が高齢者を介護する時代」および「人手不足の絶望的な現実」がについて、以下のポイントが紹介・解説されています。
◆ 絶望的な人手不足と高齢化する介護スタッフ
◆ 利用者に対する暴力・放置・精神的虐待の横行
◆ 苦情を封殺する運営側と行政の“見て見ぬふり”
◆ 「夜間、排泄の世話はできません」と明言する施設
◆ 利益優先の経営で「介護」が形骸化している現状
この本の中盤では、「閉ざされた介護」および「介護とカネ」について説明されています。主なポイントは次の通りです。
◆ 利用者が“囲い込み”される悪徳法人の手口
◆ 「介護報酬」の配分構造が現場に回らない理由
◆ 「人件費を削り、補助金を最大化する」経営戦略
◆ 在宅介護を支える制度の不備と現場の疲弊
◆ 老老介護・ヤングケアラー問題と孤立する介護者
本書の後半では、「死のタブーと壊れる家族」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ケアマネジャーの質により左右される介護の質
◆ 施設の選び方・見極め方は情報収集がカギ
◆ 行政への申請や相談は「早めに」「継続的に」
◆ 地域包括支援センターを活用した備え方
◆ 介護を“家族任せ”にせず、人生設計に組み込む
この本の締めくくりとして著者は、「現場の声に耳を傾けない制度改革は、さらなる崩壊を招く」と強く訴えています。
あなたも本書を読んで、「お金があっても安心できない」日本の介護現場の実態を知り、早めの備えと正しい知識の習得に踏み出してみませんか?
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では、今日もハッピーな1日を!【3754日目】