「現代の老人は、老人とは思っていない分、心と現実のギャップが大きくなり、その自己矛盾を処理するのが下手になっている。その自己矛盾に気がついていない老人もいるのだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1947年大分県生まれ、明治大学政治経済学部卒業後、洋書輸入会社に入社して34年間勤続し、2006年に退職、以後、執筆活動に専念している勢古浩爾さんが書いた、こちらの書籍です。
勢古浩爾『おれは老人? 平成・令和の ”新じいさん” 出現!』(清流出版)
この本は、何歳になっても「自分は老人ではない」と思っている現代の老人について、77歳になった著者自身の経験も交えて、現実(実年齢)と心(意識)のギャップに迫り、よい年の重ね方、生き方を説いている本です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.わたしは老人ではない
2.平成・令和時代の新じいさん
3.みんな好きに生きている
4.心は若いが、身体が老けている
5.2回目の救急車と道路顔面突入
6.ちょっと前向きな話
7.ニュース断ち
8.テレビ断ち、芸人断ち、CM断ち
9.意味も価値もない人生を生きていく
この本の冒頭で著者は、「わたしはじつは、自分を、老人だとは思っていないのである。」「だれもが、自分が老人だとは思っていないのである。」と述べています。
本書の前半では、「わたしは老人ではない」「平成・令和時代の新じいさん」および「みんな好きに生きている」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 突然、じじいじゃないことに気づく
◆ ユニクロ老人とレオン老人がいる
◆「おれはおれ」と考えることが新しい
◆「好きに生きればいい」という和田秀樹は救世主
◆「楽しめ」と言われるのはかえって「窮屈」
この本の中盤では、「心は若いが、身体が老けている」「2回目の救急車と道路顔面突入」および「ちょっと前向きな話」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 脳梗塞になってからまっすぐ歩けず蛇行する
◆ 懸垂が1回もできない、ペットボトルの蓋が開けあけられない
◆ インフルエンザで生涯二度目の救急搬送
◆ ディスコで踊り狂うシニアたち
◆ ウォーキングダンスのステップを練習
本書の後半では、「ニュース断ち」「テレビ断ち、芸人断ち、CM断ち」および「意味も価値もない人生を生きていく」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 不快なニュースは見ない
◆ 脳はどぎついニュースに反応する
◆ タレントと芸人なしでは何もできないテレビ局の無能
◆ 人生の意味などなくていい
◆ 働かないで生きていけるならそれでいい
この本の締めくくりとして著者は、「生活の中心に、夢中になれる『好きと楽しい』ことがあるのは、幸せの要件だといっていい。人は我を忘れているときが、長ければ長いほど、幸せなのではあるまいか。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「自分を老人だとは思わない」あるいは「老人であることを忘れているという無意識」がどこに着地するのかを考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3661日目】