「私たちは、DD論と善悪二元論のあいだを振り子のように往復することになります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、2002年国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビューし、数々の著書でベストセラーを連発している作家の橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。
橘玲『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)
この本は、「善悪二元論」が世界を見る目を曇らせること、「解決できない問題には理由がある」ことを、「DD論(どっちもどっち論)」という考え方を紹介しながら解説し、問題提起をしている本です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.DDと善悪二元論 ウクライナ、ガザ、ヒロシマ
2.「正しさ」って何? リベラル化する社会の混乱
3.善悪を決められない事件
4.よりよい社会/よりよい未来を目指して
5.「正義」の名を騙(かた)る者たち
この本の冒頭で著者は、「DD派は『冷笑系』とも呼ばれ、ネットではつねに『態度をはっきりさせろ』と批判されますが、世界は単純な善悪二元論でできているわけではありません。」と述べています。
本書の前半では、「DDと善悪二元論 ウクライナ、ガザ、ヒロシマ」ついて以下のポイントを紹介しています。
◆ 国際社会の「正義」がロシア・ウクライナ戦争を泥沼化させる
◆ イスラエルの政策をユダヤ人への敵意を煽っている
◆ ドイツの日本の非対称性
◆ 犠牲者意識ナショナリズム
◆ 憎悪の応酬を解決する方法は「忘却」
この本の中盤では、「正しさって何? リベラル化する社会の混乱」および「善悪を決められない事件」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ トランスジェンダーの五輪選手が象徴する「リベラル化」の光と影
◆ ヘイトコメント対策にAIを使うのは責任をとりたくないから
◆ 日本社会の歪みを象徴する「下級国民のテロリズム」
◆「頂き女子」とナンパ師のマニュアルは瓜二つ
本書の後半では、「よりよい社会/よりよい未来を目指して」および「正義の名を騙(かた)る者たち」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 日本で安楽死が認められないのは、日本人が「愚か」だから
◆「新しい資本主義」が目指すのはグロテスクな世代間差別をなくすこと
◆ 超高齢社会で際限なく増える行政コストは誰が負担するのか
◆ 日本の最大の課題は高齢者が多すぎること
この本の締めくくりとして著者は、「メディアにとって『正義』は他人(権力)を批判する道具で、報道とは読者を扇動してお金を稼ぐビジネスなのでしょう。」と述べています。
あなたも本書を読んで、世界を善と悪に分ける二元論から距離を取り、「DD(どっちもどっち論」について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3637日目】