書評ブログ

『弱者男性 1500万人時代』

「この世に女性差別があるように、男性への差別もある。」「日本で弱者になり得る男性は、最大1500万人も存在している。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、慶應義塾大学を卒業後、P&GジャパンLVMHグループにてマーケティングを担当、同時期にブログが最大月50万PVを記録し、2015年に独立、主にキャリアや恋愛について執筆するライター、経営者トイアンナさんが書いた、こちらの書籍です。

 

トイアンナ『弱者男性 1500万人時代』(扶桑社新書)

 

この本は、弱者男性に関する次の3つの目的を叶えるために記された書です。

◆ 男性の弱者性を明らかにする

◆ 弱者男性に対する誤解を解く

◆ 弱者男性が求める支援を提案する

 

 

本書は以下の9部構成から成っています。

 

1.弱者男性とは誰のことか

2.男性の弱さ

3.弱者男性の声

4.弱者男性の分類

5.弱者男性になってしまう

 

6.弱者と認めてもらえない

7.弱者から抜け出せない

8.弱者男性とミソジニー

9.弱者男性に救いはあるか

 

この本の冒頭で著者は、「日本人の8人に1人は弱者男性」「弱者と自認する男性は1600万人」と述べています。

 

 

本書の前半では、「弱者男性とは誰のことかおよび「男性の弱さ」ついて、以下のポイントを説明しています。

 

◆「きもくて金のないおっさん」と呼ばれる弱者男性

◆ 日本で男に生まれたら不幸、未婚はもっと不幸

◆ 就職氷河期が破壊した男性の結婚願望

◆ 男性は病院へ行くのを渋り、セルフネグレクトへ

◆ 男性は遺族年金で差別されやすい

 

 

この本の中盤では、「弱者男性の声」「弱者男性の分類」および「弱者男性になってしまう」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆「男たるもの」に苦しめられる

◆ 福祉以外のセーフティネットがない

◆ 男性の5人に1人が妻からDVを受けている

◆ 弱者男性は自分を責める

 

◆ 弱者性を生む「家族・地域・制度」からの縁切り

◆ コミュニケーション弱者の男性は迫害されやすい

◆ 弱者男性を救いたいと思う者がいない

◆ SNSの「高み」の虚像が生む「弱者という実感」

 

 

本書の後半では、「弱者と認めてもらえない」「弱者から抜け出せない」「弱者男性とミソジニー」および「弱者男性に救いはあるか」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 収入という「目に見えすぎる上下関係」

◆ 弱さを語ることは「男らしくない」

◆ 階級の固定化:貧困家庭が貧困弱者男性を生む

◆ 男性には「玉の輿」のチャンスがない

◆「ミソジニー」とは、女性に対する嫌悪や別記を意味する言葉

 

◆ 弱者男性=ミソジニストという誤解

◆ 女性嫌悪集団「インセル」

◆ サバルタン(=従属的な社会集団)は語れない

◆「弱者です、助けてください」と言いやすい社会づくり

◆ 支援者の支援:バーンアウト対策

 

この本の締めくくりとして著者は、「弱者男性は、かわいそうランキングの下位に置かれている。」と繰り返しています。

 

 

あなたも本書を読んで、弱者男性の実像を理解し、差別や偏見による見方を問い直してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3373日目】