「若者論に注目する意味があるのは、まず、若者はこれから社会に出て行く、出ようとしている存在だからである。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年生まれ、東京大学文学部卒業、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、現在は中央大学文学部教授(専門:家族社会学)の山田昌弘さん編著の、こちらの新刊新書です。
山田昌弘 編著『「今どきの若者」のリアル』(PHP新書)
この本は、現在10代、20代の若者は、将来、どのような生活を送ることになるのか、そしてどのように社会を作っていくのかを分析・展望している研究者やノンフィクション作家の見方を紹介している書です。
本書は以下の16部構成から成っています。
1.Z世代はなぜ「イミ(意味)消費」に向かうのか? 牛窪 恵
2.世代間対立に潜む「正義の独善」 萱野稔人
3.マッチングアプリと恋愛コスパ主義 山田昌弘
4.「みなまで言うな」は通じない 山口 航
5.認められたいけど目立ちたくはない 金間大介
6.「無敵の人」を生まないためにできること 阿部真大
7.政府公表「自殺者数減少」は真実か 末木 新
8.差別と偏見に苦しむヤングケアラー 濱島淑恵
9.若手社員が辞めない職場とは 古屋星斗
10.「若者の本離れ」というウソ 飯田一史
11.「言葉の転換期」で格闘する若者たち ひきたよしあき
12.韓国人男性に惹かれる日本人女性 安宿緑
13.カラダを売らざるをえないZ世代 中村淳彦
14.「推し」が出るならテレビを観る 道満綾香
15.『古見さんは、コミュ症です。』に見る、イベント化した日常世界 谷川嘉浩
16.地域間格差と若者の希望 轡田竜蔵
この本の冒頭で著者は、本書に収められた論考を読むポイントを次のように挙げています。
◆ 今の若者の経済基盤は昔に比べて厳しい
◆ 情報環境が激変していて、スマホやSNSで情報発信できる時代に
◆ 現在の若者の生活状況や特徴は多様で、ひとくくりにできない
◆ 若者に問題があっても中高年の責任で、どんな社会が望ましいかを考えるべき
本書の前半では、「Z世代はなぜイミ(意味)消費に向かうのか?」「世代間対立に潜む正義の独善」「マッチングアプリと恋愛コスパ主義」「みなまで言うなは通じない」および「認められたいけど目立ちたくはない」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ ググるより、タグる若者、要らない情報はうざい
◆「周りにどうみられるか」と「誰かの役に立ちたい」という思い
◆ 現役世代から高齢世代への莫大な所得移転
◆ 問題の根底にある「世代間格差」
◆「自然な出会い」が減り、「偶然の出会い」は低いまま、「積極的な出会い」が増加
◆ 身近な人には認められたいけど、目立ちたくない
◆ 与えられる環境に慣れてしまっている若者
◆ 若者は「現役選手」しか尊敬しない
この本の中盤では、「無敵の人を生まないためにできること」「政府公表自殺者数減少は真実か」「差別と偏見に苦しむヤングケアラー」「若手社員が辞めない職場とは」および「若者の本離れというウソ」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆「無敵の人」を生まないため再チャレンジできる制度と新たなライフスタイルの後押しを
◆ 差別や偏見に苦しむヤングケアラーの支援を
◆「緩い職場」で若手育成力が低下
◆ 若者だけが本離れではなく、大人も難しい本を読んでいない
本書の後半では、「言葉の転換期で格闘する若者たち」「韓国人男性に惹かれる日本人女性」「カラダを売らざるをえないZ世代」「推しが出るならテレビを観る」「『古見さんは、コミュ症です。』に見る、イベント化した日常世界」および「地域間格差と若者の希望」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 公的な文章は得意な若者、私的な文章は苦手
◆ 韓国人男性と結婚する日本人女性
◆ 奨学金返済で貧困化する若者
◆「推し」が出るテレビだけ見る
◆ 生活のあらゆる局面が「イベント化」
◆ 注目をベースにしたアテンションエコノミーとインフルエンサー
◆「街」に集まるよりウェブ上でのコミュニケーション重視
◆「ポストアーバン化」で、移動する若者は地域間格差を解消できる
あなたも本書を読んで、様々な「若者の論考」から、Z世代の行動原理の謎を解き、若者のリアルを掴んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3292日目】