書評ブログ

『「40歳の壁」をスルっと越える人生戦略』

「40歳の壁にぶつかり、試行錯誤の結果、会社を辞めて自分がやりたい仕事(=自分業)で生きていくことにしました」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、外資系メーカーに16年勤務、長時間労働が当たり前の中、子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出ワンオペ育児の合間に、「ワーママはる」名義での発信をスタート、発信業、文筆業、不動産賃貸業など、会社員以外での収入経路を複数確保、2020年4月に会社員を卒業し、サバティカルタイム(使途用途を決めない学びの休暇)に入り、その後、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」、母と子のスキンケアブランド「soin(ソワン)」を立ち上げ、音声メディア「Voicy」では4000万回再生超えを記録してトップパーソナリティとして活躍する尾石晴さんが書いた、こちらの書籍です。

 

尾石晴『「40歳の壁」をスルっと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 

この本は、40歳前後で多くの人が感じる「モヤモヤ感」、つまり「40歳の壁」の正体を分解しながら、自分らしく生きるために「人生の後半戦をどうデザインしていくか?」を考えるための書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.「40歳の壁」の正体

2.40歳からの幸せをつくる「自分業」

3.「40歳の壁」を越える自分業の始め方

4.「40歳の壁」を越える自分業の育て方

5.「40歳の壁」試行錯誤とその先の変化

 

 

この本の冒頭で著者は、「大事なのは、主体的に、どうやって、人生の後半戦を生きるかという点です、働き方はあくまで、要素の1つでしかありません。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「40歳の壁の正体」および40歳からの幸せをつくる自分業」について以下のポイントを説明しています。

 

◆「ミッドライフクライシス」こそ「40歳の壁」

◆ エリクソンの「心理社会的発達理論」でも「中年の危機」を説明

◆ 人生100年時代、期待と不安が入り交じる「40歳の壁」

◆「体力:「知力」「やり直せる」の3つがそろう40歳(±5歳)

 

◆ 技術の発展により、働き方に限界が来ている

◆ 人生の後半戦こそ、やりがいを感じる仕事を以下に選んでいくか

◆「40歳の壁」に潜む「子育ての壁」(ex.小1の壁)と「夫婦関係の壁」

◆「夫婦関係の壁」はモラトリウムを意識する

 

◆ 幸せな人生の土台になる「お金」「つながり」「健康」の3つ

◆「お金」が大切なのは、行動の選択を自由にするため

◆ 生涯現役で働くか、お金が入る仕組みを持つ

◆ 小さく始めてみる、うまくいくなら続ける、うまくいかないなら改善してみる

 

◆「つながり」は、社会資本(家族・友人など人間関係)で、幸福を考える上で最も重要

◆ ダンバー数 30~150人が安定的な社会関係を維持できる上限人数

◆ ちょうどいい仕事は健康にプラス(規則正しい生活・食事・運動)

◆ 思考力を使うことをルーティンとして日々に組み込むことは幸せな人生に大切

 

◆「定年を迎えない人生」をキャリアとして描く

◆ マイキャリア3つの要素(お金・つながり・健康)を棚卸し

◆ 3つの要素を満たし、やりがいのある仕事を「自分業」として、副業・複業をする

◆ 今の仕事の延長上に「自分業」を重ねていく

 

 

この本の中盤では、「40歳の壁を越える自分業の始め方」および「40歳の壁を越える自分業の育て方」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆「人生の目的」は探すものではなく、自分の価値観に基づいて過去の経験から導き出す

◆「幸せと感じる状態」を言語化したものが「人生の目的」

◆「やりたいこと100リスト」で人生の目的を言語化していく

◆ 人生後半戦に「みんなの正解」ではなく「自分の正解」を見つける

 

◆ 自分業を組み立てるには、アウトプットで、劇場(プラットフォーム)、演目(コンテンツ)、お客さん(ペルソナ)を見つける

◆ アウトプットは「打席に立つ回数」がものをいう

◆ アウトプットで、①苦もなくできる(継続できる)、②経験がたまる(ストックできる)、③市場がある、の重なる部分で劇場と演目を絞っていく

◆ FIREより「自分業」を育てる

 

◆ 好きなことを「経費」にできる仕事を見つける

◆「好き」を分解して「自分業」に変える

◆ 小さな行動を繰り返して、修正しながら仕組みを作っていく

◆ 支出を経費にする発想を持つことで、金銭的に無理のない良い循環ができる

 

◆ お金や時間を費やしたことが、あなたの「好き」なこと

◆ 誰もが自分の「種」を持っている

◆ 自分業で最も大切なのは「継続できる」こと

◆ 一緒にいたい人+ビジネスが成り立つ人=ペルソナ(お客さん)

 

◆ 3つの変化(知らない・できない・磨けない)にフォーカス

◆ じわじわ浸透させるブランディングが重要

◆ セルフブランディングの本質は「自己理解」

◆ ありのままの自分が提供できる価値に「信頼」と「共感」してくれる人を探す

 

 

本書の後半では、「40歳の壁 試行錯誤とその先の変化」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 大きな不安は「収入源」と自分のビジネス(=自分業)を作れるかの2つ

◆ 1人でやるならレバレッジを意識、「やらないこと」を決める

◆ ストレッチゾーンにいる人と関わる

◆「風呂敷畳み人」という仲間を見つける

◆ 変化とは小さな行動から始まる

 

 

本書で提唱している「自分業」は、拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)および『定年後不安』(角川新書)にて私が推奨している「お金」「孤独」「健康」の定年後三大不安をすべて解決できる「トリプルキャリア」で生涯現役のライフスタイルを構築するというコンセプトと共通する部分が多く、心から共感し、深く感銘を受けました。

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「この本に書いてあることは、私一人の夢物語ではありません。周りを見渡すと、同じようにアラフォー前後で、『生き方やあり方』を模索し、働き方を変えていった人たちがいます。」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、「40歳の壁」を越える人生戦略として、一生「お金・つながり・健康」を維持できるキャリアデザインとして、「自分業」を立ち上げ、幸せな人生後半戦に向かって生きませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3012日目】