書評ブログ

『You も Me も宇宙人』

「生命は宇宙で生まれて地球にやってきた」という「彗星パンスペルミア説」、すなわち宇宙起源説を分かりやすい言葉で解説してくれる本があります。

 

 

本日紹介するのは、一橋大学を卒業後、金融会社を経て楽天株式会社に勤務して独立し、株式会社青山ストーンラボを立ち上げて、現在は占い業・執筆業・編集業などを中心に活動する、いけのりさんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

いけのり『You も Me も宇宙人』(地湧社)

 

 

この本は、生命は地球上で誕生した、という常識(=「地球起源説」)を覆す、「生命は宇宙のどこかで誕生した後、彗星によって地球に到達した、という「彗星パンスペルミア説」を分かりやすく説明している書です。

 

 

スピリチュアルオカルト系の話ではなく、「アストロバイオロジー(=宇宙生物学)」という、正統な科学的根拠に基づいた話です。監修は何と、日本におけるアストロバイオロジーの第一人者である理学博士松井孝典・東京大学名誉教授です。

 

 

また、脳科学者茂木健一郎さんも「科学的エビデンスにもとづいて語られる壮大な物語。自分や世界の見え方が一新され、明日を生きるエネルギーがわいてきます。」と、帯に推薦文を寄せています。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.生命はどこで誕生したの?と聞かれたら

 

2.歴史的な「常識」VS「非常識」論争

 

3.大炎上!生命誕生の謎論争

 

4.「彗星パンスペルミア説」って何ですか?

 

5.「彗星パンスペルミア説」の謎① ~ パンスペルミア状態は可能か ~

 

6.「彗星パンスペルミア説」の謎② ~ なぜ彗星なのか ~

 

7.「ウィルス進化説」~ 彗星パンスペルミア説によるnew進化論

 

 

 

この本の冒頭で著者は、「生命はどこで誕生したのか?」という問いに対して、これまでの常識では、「地球上で生まれました」という地球由来の生命、すなわち「地球起源説」を説明しています。

 

 

しかしながら、その「地球起源説」は実は間違っていて、生命は宇宙のどこかで誕生した後、彗星によって地球に到達した、という「彗星パンスオエルミア説」が注目を浴びていることを紹介しています。

 

 

そうなると、「We are aliens ! Tou も Me も宇宙人!」ということです。

 

 

この論争は、歴史上有名な「天動説」と「地動説」の論争に似ている、と著者は言います。

 

 

したがって、後世になれば、生命は地球よりも早く誕生していた、というのが常識になっているかも知れません。

 

 

 

また、生命の定義として、本書では以下の3つを紹介しています。

 

 

1.外界と自分を隔てる膜がある

 

2.自己を複製する

 

3.代謝する(物質を出入りさせてエネルギーを作る)

 

 

 

本書では、生命誕生の謎論争で次のような、様々な学者の説とその推移を紹介しています。

 

 

◆ アナクシマンドロス

 

◆ アリストテレス

 

◆ ファン・ヘルモント

 

◆ フランチェスコ・レディ

 

 

◆ アントニー・レーウェンフック

 

◆ ラザロ・スパンツァーニ

 

◆ ジョン・ニーダム

 

◆ ルイ・パスツール

 

 

 

それぞれの学者がどういう説を唱え、当時の科学界に影響をもたらしたかという詳細については、ぜひこの本を手に取ってお読みください。

 

 

 

続いて、彗星パンスペルミア説についての説明がなされています。スウェーデンのノーベル賞科学者スヴァンテ・アレニウスが1905年に提唱したことや、著者がこの説に触れた2017年4月に読んだ、チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士の本『彗星パンスペルミア-生命の源を宇宙に探す』(恒星社厚生閣)が紹介されています。

 

 

 

この後に本書では、宇宙に生命がいそうな発見について解説しています。

 

 

本書の後半では、「ウィルス進化論」と題して、彗星パンスペルミア説に基づく、新しい進化論を紹介しています。

 

 

この「ウィルス進化論」をまとめると、ウィルスによって進化した地球上の生物は、以下の2つに分類される、ということになります。

 

 

◆ 生命維持に必要なだけのエネルギーを使う生物(ちょうどよい型)

 

◆ 生命維持に必要以上際限なくエネルギーを使う生物(もっともっと型)

 

 

 

つまり、人間以外の生物(ちょうどよい型)と、人間(もっともっと型)の2つに分類される、ということです。

 

 

 

著者のいけのりさんは、あとがきで、「で、結局何が重要な事なのか」と題して、読者に問いかけています。

 

 

それは、自分自身の頭で考えながら、自分なりの意見を持ってもらうこと、だそうです。そして、生命の「地球起源説」VS「宇宙起源説」の論争はなぜ、重要なのか?とさらに問いかけます。

 

 

著者によれば、「宇宙的な大きな視点」研究に精を出した方が、今後の地球のためになるのではないか、ということです。

 

 

さらに、大事なのは「何が大事なことなのか」について常に考えながら生きる姿勢だ、と著者は言います。

 

 

最後に、「足るを知る」という老子の精神で行きましょう、と呼びかけます。You も Me も宇宙を旅している途中のただの旅人なのですから。ナマケモノになるのがいい。

 

 

「スピード!!スピード!!スピード!!」

 

 

これは私の興銀の後輩で、楽天の創業者・三木谷浩史会長兼社長の創業時からの口グセですが、著者の反発の度合いがよく読み取れます。

 

 

 

また、この本の最後には巻末付録が付いていて、難しい確率の計算式や、理解度テストまで掲載されていて役立ちます。

 

 

最後に、驚くのは、「パンスペルミア推進プロジェクトメンバー紹介」に続き、何と、チャンドラ・ウィクラマシンゲ博士からのお手紙が掲載されていることです。

 

 

 

あなたも本書を読んで、科学的エビデンスに基づいて語られる壮大な物語を知り、「生命は宇宙のどこから来たのか」を考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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