「最近の官僚は、いつの間にか世間と比べてずっと高くなった年収をむさぼりながら、自ら汗をかくことをしなくなった。」「官僚の腐敗が、日本の政策を歪め、日本経済を転落させたのだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業、日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授で、50年間集めてきたコレクションを展示するB宝館(埼玉県所沢市けやき台2-32-5)が話題の森永卓郎さんが書いた、こちらの書籍です。
森永卓郎『なぜ日本経済は後手に回るのか』(角川新書)
この本は、今回の新型コロナ対策で、集中的に現れた「官僚の腐敗ぶり」を詳細に分析している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.大失敗だった日本のコロナ対策
2.科学とデータを無視し続けた日本政府と医療界
3.経済対策失敗の背後に官僚の影
4.法令とデータに基づかない規制
5.どさくさ紛れに利権をむさぼる
6.政策をゆがめた東京中心主義
7.これからどうしたらよいのか
8.エピローグー日本の大転落はすでに始まっている
この本の冒頭で著者は、「日本を立て直そうと思ったら、官僚を東京から切り離して、国のことを考えるという本業に徹してもらわなければならない。最大のカギは、首都機能移転だと私は考えている。」と述べています。
本書の前半では、「大失敗だった日本のコロナ対策」および「科学とデータを無視し続けた日本政府と医療界」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 日本人のコロナ耐性をもたらした「ファクターX 」はいまだに不明
◆ 東アジアでコロナによる死亡者が少ない原因の有力仮説は「BCG接種」
◆ もう一つの有力仮説は「交差免疫説」(別の病気の免疫がコロナにも有効)
◆ 日本は医療面だけでなく経済対策でも失敗
◆ PCR検査の抑制の背景に「東京オリンピック開催」
◆ 検査の拡大は世界の趨勢
◆ 圧倒的な「密」で感染の震源地となった東京の封鎖(ロックダウン)が正しい政策
◆ 隠蔽体質を露わにした政府の抗体検査
この本の中盤では、「経済対策失敗の背後に官僚の影」および「法令とデータに基づかない規制」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 消費税増税で急落し、コロナ感染がそこに輪をかけた
◆ 消えた世界標準の経済対策である「消費税減税案」
◆ 財務省の基本姿勢は「緊縮財政」
◆ アベノマスク、星野源の歌に合わせた総理の動画、30万円給付の「不評3点セット」
◆ 突然の「全国の学校の一斉休校」
◆ イベント中止に効果はあるか
◆ 為政者の文化的貧困が、演者の生活を直撃
◆ 吉村知事による「大阪モデル」の勝負
本書の後半では、「どさくさ紛れに利権をむさぼる」「政策をゆがめた東京中心主義」および「これからどうしたらよいのか」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 持続化給付金の20億円中抜きと丸投げ委託、再委託
◆ 官僚の「上から目線」
◆ 政策を歪めた「東京中心主義」
◆ 東京の自粛解禁が感染を拡大
◆ 世界標準から外れた「自粛のみ、大規模PCR検査なし、都市封鎖なし」
◆ いまこそ首都機能移転を
◆ 移転先候補「栃木・福島地域」と「岐阜・愛知地域」からの絞り込み中断
◆ 東京を「レッドゾーン」として封じ込め
この本の締めくくりとして著者は、「ひとつだけ警告をしておこうと思う。感染リスクの高い大都市に居住する高齢者は、死にたくなければ、いますぐ避難を考えるか、巣ごもりをすべきだ。そして、中長期的には郊外や地方への移住を考えた方がよいだろう。」と述べています。
あなたも本書を読んで、日本経済の大転落がすでに始まっていることを理解し、自らを守る行動を起こしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2853日目】