書評ブログ

『50歳からの逆転キャリア戦略』

「辞める辞めない」の前に、人生のハンドルを自分で握る「キャリア自律」をまず実現する。そうすれば、働くことは今よりずっと楽しくなる、と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、1966年生まれ兵庫県生まれ、大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒リクルート『リクナビ』、『就職ジャーナル』などの編集長を務めたのち、独立して株式会社FeelWorksを設立、現在は「上司力研修」「50代からの働き方研修」などで400社以上を支援している同社代表取締役青山学院大学兼任講師前川孝雄さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

前川孝雄『50歳からの逆転キャリア戦略「定年=リタイア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方 』(PHPビジネス新書)

 

 

この本は、「定年=リタイア」ではない時代に、第二、第三の職業人生に向け、会社は「学びの宝庫」だと提唱し、自分の人生のハンドルを自分で握る「キャリア自律」を実現することを勧めている書です。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.はじめに

 

2.まだ辞めてはいけない人たち-もしいま早期退職したらどうなる?

 

3.「お金、肩書き」から「働きがい」へ-人生後半キャリアの考え方

 

4.会社は「学び直しの機会」に溢れている!-辞める前にできることはまだまだある

 

5.50歳からの働き方を変える「7つの質問」-筆者・前川孝雄の七転八倒体験から人生後半戦の働き方を考える

 

6.おわりに

 

 

 

この本の冒頭で著者は、「キャリア自律」とは、上司や会社の指示・命令に耐え続けてきた職業人生ではなく、自分のキャリアのハンドルを自ら握る人生を歩むこと、と定義しています。

 

 

 

私の著書『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)で提唱している「自分が主役の人生」とまったく同じコンセプトで、ぜひ併せてお読みいただきたいと思います。そのための方法として、下記の拙著では「トリプル・キャリア」を提唱していて、前川さんの本に通じるものがあります。

 

 

前川さんの本では前半、準備不測のまま衝動的に早期退職してはいけない、としていて、「自分を客観視できていない」ためだと言います。

 

 

 

今後、中間層が消滅し、低賃金層が劇的に増えていく時代にあって、これまでの「お金、肩書き」から「働きがい」へ、若者から幸せの定義が変わりつつある、本書では述べています。

 

 

 

またこの本の中盤では、「キャリア自律」を実現する方法として、 健康、友達、希望の3つが大切だとして、次の6ステップが提示されています。

 

 

◆ キャリアビジョン構築

 

◆ マインドセット

 

◆ 相場観・市場理解

 

 

◆ 自己認識・強みの棚卸し

 

◆ キャリアプラン・腕試し

 

◆ 強みを補強する

 

 

 

著者の言う「自律型人材」とは、以上の6ステップを踏んで、「他者から管理・支配されるのではなく、自分の立てた規律や規範に則って働ける人材」のことで、以下のことを実践していきます。

 

 

◆ 自ら仕事や役割を創り

 

◆ 周りを巻き込んで

 

◆ 結果を出す

 

 

 

さらに本書では、50歳からの20年を見通す未来年表を作ることを勧めています。とくに大切なのが「ミッション・ビジョンを考える」ことで、そのための「ぐるぐる質問」を以下の通り、紹介しています。

 

 

◆ これまでの人生を一言で表現すると、どんな人生でしたか?

 

◆ 最も残せたと思える業績、自分なりの成果は何ですか?

 

◆ 最もつらかった仕事の経験は何ですか?

 

◆ 最も楽しかった仕事の経験は何ですか?

 

 

 

◆ 印象に残る「身近な人から言われた言葉」には、どんなものがありますか?

 

◆ あなたは何をするのが好きですか?

 

◆ 自分の人生があと1年だとしたら、どのようなことがしたいですか?

 

◆ 自分の墓標に刻みたい言葉は何ですか?

 

 

 

著者は「T字型」自分の能力を捉えることを提唱しています。「T字型」の縦棒は専門性、横棒は周辺知識です。

 

 

 

本書の最後では、「キャリア自律に向けて自問自答したい7つの質問」が以下のように挙げられていて、ステップごとにシートも用意されています。

 

 

1.【キャリアビジョン構築】自分の人生があと1年だとしたら、何をやりたいですか?

 

2.【マインドセット】なぜ、その「やりたいこと」に挑戦しないのですか?

 

3.【マインドセット】やりたいことができない本当の理由は何ですか?

 

4.【相場観・市場理解】名刺がなくても付き合える社外の知人は何人いますか?

 

 

 

5.【自己認識・強みの棚卸し】会社の外でも通用する「自分の強み」は何ですか?

 

6.【キャリアプラン・腕試し】その強みを磨き、不動のものにするためには何が必要ですか?

 

7.【強みを補強する】今のうちに何から始めますか?

 

 

 

この本で提唱している「キャリア自律」という考え方は、私が提唱する「トリプル・キャリア」のベースになる考え方で、強く共感しています。

 

 

 

あなたも本書を読んで、人生100年時代、すなわち「定年=リタイア」ではない時代における、50歳からの逆転キャリア戦略をしっかり組み立てていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!