書評ブログ

遠越段『心に火をつける言葉』(総合法令出版)

遠越段氏は、早稲田大学法学部を卒業後、大手電機メーカーの海外事業部に勤務。1万冊を超える読書によって培われた膨大な知識をもとに、独自の研究を重ね、難解とされる古典を現代マンガをもとに読み解いていく手法を確立した。

 

本書は、世界の名言を選び、解説とコメントを書いた本だ。著者によれば、これほどやりがいのある仕事もない、ということだ。

 

何故なら、一つひとつの名言から、それを言った偉人の背景、人生、時代、その他の作品群、そして自分自身のこれまでの失敗だらけの人生が思い出されてくるからだ。

 

名言は短い言葉だからこそ、ズシンと来る。短いがゆえに、短時間でその言葉の意味を知ることができ、今度は自分自身の人生との関係を、時間をかけて考えることができる。

 

名言の力は凄い。それもそのはず、その言葉には、その背後にその言葉を述べた人の全人生と全作品が含まれているからだ。

 

本書では、世界の名言200を採り上げ、以下の4つのカテゴリーに分類、整理している。私が座右の銘とする言葉を中心に紹介しよう。

 

1.行動
2.情熱
3.信念
4.知恵

 

1-1 「働く喜びこそが、仕事を完璧なものとする。」 (アリストテレス)
1-2 「誰かが大いなる成功を収めたということは、他の誰もが成功できる、という証明である。」 (リンカーン)
1-3 「人は努力をしている限り、間違いを犯すものである。」 (ゲーテ)
1-4 「人生というビジネスの真髄は、前進していくことにある。」 (サミュエル・ジョンソン)
1-5 「はじめに人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくっていく。」 (ジョン・ドライデン)
1-6 「世界を動かそうと思うなら、まずは自分自身を動かせ。」 (ソクラテス)
1-6 「自分の進む道を知っている者に、世界は道を譲ってくれる。」 (デイビッド・スター・ジョーダン)

 

2-1 「成し遂げようと決めた志を、たった一度の敗北によって捨ててはいけない。」 (シェイクスピア)
2-2 「年を重ねるだけでは、人は老いない。理想を失うことによって、人は老いるのだ。」 (サミュエル・ウルマン)
2-3 「”なりたかった自分” になるのに、遅すぎることなど決してないのだ。」 (ジョージ・エリオット)
2-4 「リーダーとは ”希望を配る人” のことである。」 (ナポレオン・ボナパルト)
2-5 「情熱なくして達成された偉業はない。」 (ラルフ・ワルド・エマーソン)

 

3-1 「”人生とは価値あるものだ” と信じよ。その信念が、価値ある人生を実現してくれる。」 (ウィリアム・ジェームス)
3-2 「常に準備を怠るな。チャンスはいずれ、訪れる。」 (リンカーン)
3-3 「心の内で達成した物事は、外の現実を変えていく。」 (プルタルコス)
3-4 「どんな人間でも、自分が思っている以上のことが成し遂げられるものだ。」 (ヘンリー・フォード)
3-5 「成功への一番の秘訣は、自分を信じることである。」 (ラルフ・ワルド・エマーソン)

 

4-1 「人は自らの心の持ち方を変えることによって、自分の人生をも変えられる。」 (ウィリアム・ジェームズ)
4-2 「真実を愛しなさい。そして失敗は許しなさい。」 (ヴォルテール)
4-3 「大切なことは、自分たちがどこにいるかということではなく、どの方向に向かっているか、ということである。」 (オリバー・ウェンデル・ホームズ)
4-4 「愚か者ははるか遠いところに幸福を探し求め、賢い者は足元で幸福を育てる。」 (ジェームズ・オッペンハイム)
4-5 「この世で変わらないのは、”変わり続ける” ということだけだ。」 (ジョナサン・スウィフト)
4-6 「学費は安くないが、経験は素晴らしい学校だ。」 (ハインリヒ・ハイネ)
4-7 「成功の秘訣とは、何よりもまず、準備をすることである。」 (ヘンリー・フォード)

 

これ以上の解説は不要だろう。人生を価値あるものにしたい、全ての人々に本書を捧げたい。